第2話 異世界と妖精の国
どれくらい経っただろう。
そっと目を開くと、そこは夜の泉ではなかった。
「ここ、何処…?」
私の視界にあるのは、明るい日の光と見知らぬ風景だった。
共通するのは、泉だけ。たが、その泉もいつもより澄み渡っていた。
これは夢だろうか。自分の頬を抓ってみる。
「…痛い。」
ということは、これは現実だ。
「どういうこと? どうして、こんな…。」
混乱する頭を何とか落ち着けようと、その場に座りこむ。地面の感触も本物だ。
この時、私は気付かなかった。私に近付いてくる者がいることに。
__「そこの人間。」
「!!」
振り向くと、ミルクティー色の髪をポニーテールにした…男?女?かは分からないが、人がいた。
「女王様がお待ちです。付いてきなさい。」
声も見た目と同じく中性的で、結局分からない。そんなことを考えてる内に、その人はスタスタと歩き出した。
「…あっ! ま、待って…。」
わけがわからないが、行く宛もないので付いていくことにした。
__
今、私が歩いているのは豪華なお城の中だった。
…本当に、ここは何処なんだろう。少なくとも、私が暮らしていた国じゃない。それだけは分かる。
私の前を歩くこの人は、とある部屋の扉をノックをした。
「失礼します、女王様。カミールです。」
__「入りなさい。」
客室、だろうか…その部屋には、とてもとても美しい女性がいた。
思わず見惚れていると、椅子へ座るよう促される。
「初めまして。私は、この妖精の国を治めている女王、エラ・フォーレストよ。」
………………………………………ん?
「…、………えっと…」
……ようせい…妖精……妖精ッ!?
「あなたのお名前は?」
「…あ、え…み、
「そう。可愛い名前ね!」
そう言って、ニッコリと笑ったエラさんは、もの凄く混乱している私に分かるように説明した。
ここは、妖精の国『ネフリティス』。そして、私が暮らしていた世界とは別の世界…。
__つまり、異世界へと私は来てしまったのだった。
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