アンドロイド

@kyo334

第1話

毎日同じ夢をみる。小さい頃、確か小学校6年生くらいだったろうか、その頃の夢だ。悪夢というほどでもないが、好きな夢でもない。もうすぐ30になるというのに、なかなか忘れられない嫌な夢だ。

「おい、明日も早いんだからさっさと寝ろよ」

そう言うのは隣で寝ている同僚だ。おそらく5年ほどの付き合いだが同じ部屋なことと仕事以外では接点はないし、名前も知らない。

「ああ、そうするよ」

 灯りを消して瞼を閉じる。そして今日もまた昨日と同じ夢をみる。



「なあ、あれ」

下校中、同級生の雄大がとある集団に指を差し僕に話しかける。

「アンドロイドはんたーい!アンドロイドは我々の敵!」

指の先にいるのは、反アンドロイド集団だった。アンドロイド仕事を奪われ行き場をなくした人たちの集まり。学校の先生はそう言っていた。

「いつもいるでしょ。気にするもんじゃないって」

「いや違くて。ほら、1番後ろにいるさ…」

よく見てみると、見覚えのある後ろ姿が二つあった。片方はおそらく去年に学校を辞めた先生だろう。学校にいた頃よりもヨレヨレの服を着ているが、多分そうだ。6年生の担任をしていた気がする。

「あいつってアンドロイドのせいで学校辞めさせられたんだっけ?」

「さあ?女子にストーカーしてたって噂は聞いたことあるけど」

本当かどうかは知らないが、どっちにしろあいつらのせいで学校を辞めさせられたわけではないと思う。

「それより早く帰ろうぜ」

「あ、ちょっと待てよ!」

雄大に気づかれる前にその場から離れたくて、僕はわざと早足で歩いた。

あそこには見覚えのあるある姿が2つあった。もう1つは元先生。もう1つは僕の父親だった。あんな父の姿を、友人には見せたくなかったのだ。







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