朝食にチョコを喰らう。

エリー.ファー

朝食にチョコを喰らう。

 チョコが好きです。

 甘すぎないチョコが大好きです。

 何かとチョコを食べます。

 何故かって。

 決まってるでしょう。

 チョコが好きだからですよ。

 チョコは美味しいものです。

 誰よりもチョコを愛しています。

 もしも、チョコを嫌いな人がいたら。

 殺してしまうかもしれません。

 それだけチョコが大好きです。

 チョコのために自分を捧げることができます。

 チョコは神に近い存在です。

 私が食べていいものかどうか、悩んだことがあるくらいです。

 チョコは、私のことをどう思っているのでしょうか。

 教えてもらいたいくらいです。

 チョコと喋ってみたいのです。

 食べられる瞬間、一体、どのようなことを考えているのか聞いてみたいのです。

 何故かって。

 決まっているでしょう。

 答えなんて一つですよ。

 そう、その通りです。

 チョコが好きだからです。

 チョコのことが大好きで、大好きで仕方ないんです。

 チョコ風味なんて、消えてなくなればいいんです。

 チョコっぽい、何ですかそれ、ゴミですか。

 チョコクリームは、その、なんていうか、まぁ、別にいいですけど。

 ぎりぎり許しますけど。

 チョコ色は、別にどうでもいいです。

 ホワイトチョコは、それは、その、ちょっと違いますね。

 ビターチョコは、まぁ、好きですけど。

 ビターである必要を感じないですよね、正直なところ。

 だって、チョコですよ。

 甘いからチョコなんですよ。

 幸せになれるからチョコなんですよ。

 チョコっと幸せにしてくれるからチョコなんじゃないんです。

 がっつり幸せにしてくれるからこそチョコなんですよ。

 分からないかなぁ。

 分かってもらうための活動をしてきたんですけどね。

 たくさんの人にチョコについて考えてもらいたくて、色々な企画を練って実行してきたんですけどね。

 まぁ、伝わらないことなんて慣れてますけど。

 でも、寂しいですね。

 あぁ、ごめんなさい、落ち込んでしまって。

 はい、大丈夫です。

 とにかく、私はチョコのために生きています。

 そして、誇りに思っています。

 チョコを嫌いな人なんていないでしょう。

 皆が、チョコを愛しています。

 何か、小腹が空いた時。

 空腹状態でもかまいません。

 そこに、チョコがあったら、嬉しいでしょう。

 最悪、食べることができなかったとしても、視界に入るだけで満足できるじゃないですか。

 それがチョコなんです。

 幸せをお菓子にしたもの。

 それこそが、チョコなんです。

「チョコについて、少しだけ話しませんか」

「いいえ、結構です。忙しいので」

「大丈夫です。少しだけですから」

「でも、チョコに余り興味がないんです」

「では、チョコについて説明しましょう」

「いえ、大丈夫です」

「その大丈夫、逆に大丈夫です」

「あの、これは本当に拒否しているやつです」

「はい、最初は皆さん、そう言うんですよ」

「お願いです。もう関わらないで下さい」

「チョコは、分け隔てなくすべての人を幸せにしてくれるのです。つまり、神です」

「チョコは神ではありません」

「いいえ、唯一神です。残念でした」

「恐い」

「恐れてはなりません。受け入れるのです。真の幸福を享受するのです。それが、人間をより人間たらしめるのです」




 チョコ、めっちゃ恐い。

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