第7話 もう一度仕上げて



「うむうむ! 本当だとも!! けど……なんでこんなにも美味しく作れたんだい?」


「ミアのお陰なの!!」


「うん? ミアの?」


『ご主人様の異能ギフトでしゅ!!』



 ミアがこっちに来ると……えっへんとしたわ。


 ミアのお陰だと思ってたけど……あたしもすごいのかな?


 伯父様はミアの言ったことに、お目目を丸くしちゃったけど。



「な……なに!? 我が姪にまで異能が!?」


『『幸運の錬金術ラッキークッキング』でしゅ!!』


「ふぅむ。我が妹、チャロナのとほとんど似ているな?」


「殿下、お嬢様の異能を一から拝見しましたが……チャロナ様とはまた違ったものでした」


『箱の魔導具になったでやんす』


「ほー?」



 シェトラス達の説明に、伯父様はもっと驚いたみたい。ミアをじっと見たけど……ミアがポポン! って、またあの箱に変身したわ。



『ホームベーカリーモードでしゅ!』


「なんなんだいこれは!?」



 伯父様でも……こう言う道具は見たことがないみたい。


 なら、ミアもだけど……あたしの異能はすごいのね!!



「伯父様も知らないの?」


「うむ。俺もこんな魔導具は初めてなんだぞ! チャロナとロティのも見てきたが……こんな小さなのは初めてだ!」


「へぇー」



 お母様達のとも違うんだ?


 今はディオスにかかりっきりだけど……ディオスが大きくなったら、また作ってくれるかな?


 お母様のパンは世界一なんだから!!



「……で? あの食パンでなに作ろうとしてたんだい? ぐほ!?」


「シュラ様があんなにも食べたんだから!! せっかくのサンドイッチがちょっとしか食べられないじゃないですか!?」



 話し方はちょっと丁寧だけど……サリー姉は怒っているわ。思いっきり殴りに行ってしまった。


 まあ、あたしも怒っていなくはないけど……美味しいって言ってもらえたのは嬉しいもの。


 でも……本当に、ちょっとしかサンドイッチ出来ないわ。今から……もう一回作ろうかしら?



「……サリー姉。伯父様にも見て欲しいから、もう一回作るよ」


「……んもぉ。シュラ様のせいで二度手間なんだから!」


「……さすが、メイミーの……娘」


「お母様には日夜鍛えてもらってますから!」



 サリー姉のお母様……このお屋敷のハウスメイド長だけど。


 綺麗な人なのに……めちゃくちゃつよぉい。


 下手すると……お父様も負けるんじゃないかってくらいに。


 とりあえず……もう一度、食パンを同じように作って。


 今度は具材があるから……伯父様に冷却の魔法をかけてもらって。


 みんなで、サンドイッチにしたら!!



「「おいしそー!!」」


「うむうむ! 美しいな!」


「……サンド、イッチ」



 卵、ツナ、ハムチーズ!


 三種類のサンドイッチが出来たわ!!


 これを……食べようとしたんだけど。



【『ふわふわ卵サンド』

『マイルドツナサンド』

『しっとりハムチーズサンド』



 ・製造=各50pt



 レベル2まであと150ptです



 】




 またステータスが出てきて、ptって言うのが増えたわ!!



「……あとちょっと」


「どうしたんだい? リーシャ?」


「シュラ様、リーシャにはステータスが見えるんですよ」


「なんと! そこもチャロナと同じなんだね?」


「ほえー」



 シェトラスも言ってたけど……道具以外は、お母様と一緒なんだ?


 サンドイッチは、すぐ食べたいけど……お母様にも持って行こう!!


 お父様にも食べてもらいたい!!

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