第11話 食べてみよう

 そうして……出来上がったサンドイッチは!!



「おいしそー!!」



 あたしの、大好きな『ぐざい』でつくったものばっかり!!


 ふにゃふにゃじゃなくて……しっかり冷ました白パンに、つくった『ぐざい』をはさんだもの。


 ほうちょうは、おじいちゃんと美濃みのさんがやってくれたけど……ギザギザの部分がちょっとこわかったのは内緒。



「……こう見ると、ほとんど店だな?」


『ほっほ。桜乃さくのは器用じゃ。あちきは軽く手助けしたまでよ』


「……将来有望か?」


『そうじゃな?』


「……ゆーぼー?」


『すごいと言うことじゃ』


「わーい!」



 美濃さんやおじいちゃんにもたっくさん助けてもらったけど、あたし大丈夫みたい。うれしい!!



『して。立ったまま食べるのは、行儀が悪かろう』



 美濃さんが指をぱっちんすると……台が消えて、おじいちゃんのお家にあるように、畳と低いテーブルと座布団が出てきた!


 テーブルには、ひとり一種類ずつのサンドイッチのお皿が!!



「……その芸当もなつかしいなあ?」


『ほっほ。さて、食べようぞ?』


「……そうだな」


「食べていいの!?」


『良い良い』



 どこでもすわっていいみたいだから、ピンクの座布団のとこにして。


 三人で『いただきます』をしてから……あたしは、たまごのを持った。



「いただきます!!」



 で、あーんって口をおっきく開けて……食べたんだけど。


 ちょっとだけあったかい、たまごたくさんのサンドイッチが……めちゃくちゃおいしかった!! 食パンのふわふわとぜんぜん違うよ!!



『……どうじゃ? 自分でつくったパンは?』


「すっごくおいしい!!」



 たっくさん手伝ってもらっても……あたしがつくったパンなの?


 おとうさんやおじいちゃんとおんなじまではいかないけど……すっごくおいしい!!


 一個だなんて、すぐに食べ終わっちゃった。


 ソーセージもパリッとしてて。


 ツナマヨもおいしくておいしくて。


 おなかが空いていたのもあるけど……全部食べ終わったら。


 あの、板みたいなのがまた出てきたわ!



【『オープンサンドイッチ(各種)』



 ・たまごサラダ=20ポイント


 ・ツナマヨ=25ポイント


 ・ソーセージ=35ポイント




 レベルアップまで、あと100ポイント



 】




 ポイント?


 レベルアップまで?


 なんだろう?


 美濃さんを見ると、にこにこしていたわ。



段蔵だんぞうとは違う……プレイヤーのレベルアップがあちきに連動される。簡単に言うと、桜乃はゲームをしているヒトと思えば良い。もっと色んなパンをつくれるのじゃ』


「ほんと!?」



 それはうれしい!!


 いっぱいパンがつくれるようになったら……しょーらい、おとうさんたちのお手伝いがもっとたくさんできるんだ!!


 おじいちゃんは……また大きくため息してたけど。



「……こりゃ、逸材いつざいだぞ?」


『楽しかろう?』


「……まあな?」



 まだたっくさんあるサンドイッチは……おかあさんたちにも食べてほしいなあ?


 学校には、ダメって持って行っちゃいけないだろうから。

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