『見たら死ぬ画像』(月刊●●より)
今、インターネット上ではとある画像が話題になっている。それが、この「見たら死ぬ画像」だ。
(どこかの森林を撮影した画像)
何というものを見せてくれてんだ。そのような読者の皆様の憤りがこちらにも伝わってくるが、安心してくれ。この画像自体は何の効果もなく、実際に私や編集部はこの通りピンピンしている。ではなぜ「見たら死ぬ」という逸話が付属されているのか。それにはある経緯がある。
実はこの画像が撮影したのは全国の心霊スポットを渡り歩いているあるブログの投稿主らしい。それがこの画像の投稿を最期に、消息を絶ってしまったという。ネット上では画像の撮影場所で何らかの呪いを受けてしまったのではないかと噂されているのだ。そして、その場所を撮影したこの画像自体にも呪詛が含まれており、見たら死ぬと言われている。
非常に近年の怪談らしく、リアリティがある話だが……疑問が残る。それはこのブログは本当に実在するのかという点だ。そこで、我が編集部は実際に該当するブログがないか調査を開始した!
まず、噂がどこから広まったのかを突き止める。この手の怪談の出処は大抵匿名掲示板だ。2ちゃんねるを中心に、一次ソースに近い情報源を捜索する。結果、発端と思われる数年前に残されたレスを発見することができた。そこにはとあるブログのリンクが貼られ、こう書き込まれていた。
『偶然見つけたんだけど、このブログちょっと怖くね?』
添付されたURLのブログ自体はリンクが切れているのか、既に削除されていたので、一見、どのような内容が投稿されていたのかは今では確認することができないように見える。しかし、それを見越していたのか、住民がアーカイブの保存に成功していたのだ! これが、現在魚拓として残されている例のブログである。
(ブログの画像)
プロフィールを読む限り、投稿主は心霊スポットを専門にしているわけではなく、どこにでもいる旅好きのおじさんといった印象だ。この時点で見たら死ぬ画像の都市伝説は誇張されたものであると証明されてしまったのだが――あながち、全てが嘘というわけでもない。
ブログ主の最後の投稿はとある山に訪れた際の記録のようだ。しかし、この山……実は地元では心霊スポットとして有名らしく、噂通り、その投稿を最期にブログは更新されなくなり、削除されてしまったようだ。
結論としては「見たら死ぬ画像」を掲載し、投稿主が謎の失踪を遂げたブログは存在したが、それが呪いかどうかは不明であるということになってしまった。
うーむ……何とも言えない調査結果になってしまった。●●編集部ではこのような怪しい噂や都市伝説を随時募集している! もし取り上げてほしい題材があったら下記の連絡先にハガキを送ってくれ!
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