星の降る下であなたに愛を
五三竜
プロローグ
午前1時、今日も星が降る。昨日も一昨日も星が降った。明日も明後日も星が降る。これがこの世界の常識。午前1時から午前2時までの1時間、この世界では星が降る。その星は幻想的で、まるで夢のようだ。俺はその夢を、いつも同じ場所……そう、このなんにも無い、草先生えていない大平原の真ん中で見つめる。
そして、俺はこの星が降るといつも思う。彼女に……この気持ちを伝えられたらどれだけ良かったのだろうって。
でも、そんなものは理想に過ぎない。伝えることはもう出来ないんだ。でも、この理想も……夢も、希望も、思いも全部この降り注ぐ星に乗せて伝えられたら良いなって思う。
それに、いつかは伝えなければならない。そうしないと、俺は一生後悔することだろう。
「……あ」
今日も星が1つこの世界に落ちた。そのせいで、また何か生まれる。場所は平原のようだ。行かなくては。
自分はそれを見ると、振り返り家の中に戻る。そして、武器を手に取り家を出た。
きっと、どこかで彼女は見てくれているはず。だから、いつか会える時までこの気持ちを取っておこう。
そう、その時が来た時にこの気持ちを伝えるんだ。
「この……星の降る下であなたに愛を……」
その言葉は星空に溶け込み、星の流れに乗ってどこか遠くに飛んで行った。
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