第2話 隊長
「…お前何やってるんだ?というか誰だ?お前?」
「今日から都市維持治安部隊に配属されることになった剣持です。よろしくお願いします」
「あーー、隊長が今日から新人が配属されると言っていたがそれがお前なのか。それでお前は何をやってたんだ?」
「ノックをして挨拶をしたところ中から返事がなかったため何かの試験だと思い挨拶をする姿勢をずっとキープしていました」
「いや…確かにそんなことがないとは言わないが、さすがに自己紹介もせずにはそんなことやらないだろ」
ちなみに話すときはお辞儀をしたままちゃんと人の目を見て話すようにしている。
人の目を見て話さないと失礼に当たるからね。そして顔を上げて分かったけどこの人筋肉やばい。鍛え上げられた筋肉って感じがする。
「まぁ、とりあえず中に入れ。隊長から話があるはずだ」
「はい、失礼します」
なんかよくわかんないけど、俺の顔を見てからため息をついてくる。
そして中に案内される。
…中は信じられないほどものが散らかっていた。まるで強盗に入られた後なんじゃないかと思うほど汚い。床にはカップラーメンの容器とか転がってるし、なんならなんであるのかわからないけど有名ゲーム機のコントローラーなんかも落ちてる。
しかもそれが部屋全体じゃないっていうのが逆に気持ち悪い。見た感じだと部屋の8割がたはこんな感じで汚いんだけど、残りの2割だけが不自然にめちゃくちゃきれいになってて違和感しかない。
「こっちだ」
そして部屋の奥に案内される。
コンコンコンコン
「失礼します。新人を連れてきました」
そう言って扉を開いて中に入る。
部屋の中はきれいに整頓されていた。ちゃんと物は棚に入って管理されているしゴミが床に落ちてることもない。扉1枚でこんなに変わるものなのか。
そして部屋の中央には俺よりも若い?青年が座っていた。
いや、青年というよりも少年かもしれない。だって顔にはまだ幼さが残っているし多分身長も150センチぐらいだろう。
「
「了解です」
そして弓削と言われたさっきの筋肉ムキムキの人は部屋から出ていった。
今部屋にいるのは俺と少年だけ、本当にこの子が隊長なのだろうか。これは何かの試験とかそういう流れ?
「剣持さんだよね。座っていいよ」
「はい」
「僕は
「…剣持隼人です。よろしくお願いします」
「僕が本当に隊長なのか疑っている目だね」
「いっ…いえ、そういうわけでは」
「大丈夫だよ。初対面の人はみんな驚くし、実際僕はまだ13歳だし普通に考えたらおかしいのはわかっているから。ただ、ここでは結構みんなに好いてもらえてると思ってる。とはいえどう思うのかは剣持さんの自由だよ」
九条君はこういっているけどどうなんだろう?それにそもそもなんで義務教育対象年齢のはずなのにここで働いているんだろう?
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