ウソはゆるさない

第10話 ウソつきの末路

 わたしと女の子は歩いていました。


 道を歩いていると、いままで何も無かった道の脇に、看板がポツリ.ポツリと、現れ始めます。

 現れた看板には、こう書いてありました。

『ウソは悪』

『これより先の村で、ウソは犯罪です』

『神はウソを許されません!』

 そんな看板が、ずっと続いているようです。

「ウソが悪いことくらい、誰だってわかってるのに、どうしてこんなに沢山の看板を出すしているのかしら?」

 女の子から返事がないので、振り向いてみると、なにか様子が変でした。

 なにか思いつめているようにも見えます。

「大丈夫?」

 女の子は答える代わりに、前のほうを指差しました。

 前を見ましたが、特に何もありません。

 もう一度、女の子を見ます。

 まだ女の子は前を指差していました。よく見ると、女の子の指先は、真っ直ぐではなくて、少し右側のようです。

 前に向き直り、今度は右側を見ました。近くには何もないので、遠くの方へと視線を動かします。

 すると、ずっとずっと遠くに、人の形のようなものが見えました。

「あれは看板?」

 わたしの横を通って、女の子が進んでいきました。

 どうやら、とても怒っているようです。話しかけられるような、雰囲気ではありませんでした。


 女の子が先を歩き……いえ、小走りで進み、わたしは後を追いかけていきました。

 人の形をしたモノへ近づいていくにしたがって、女の子の歩みは早くなり、最後のほうは走っていました。

 人の形をしたが、地面から飛び出した長い金属の杭に、太いロープで固定されています。

 やがて、それは人の形をしたではなくて、『人』そのものだということがわかりました。

 二つの木を組み合わせて、バッテンになった物に、その『人』は両手足を縛りつけられていました。

 は、ずっとハリツケにされていたからなのか、全身が干からびています。そのせいで、一見したところ作り物のように見えたのでしょう。ですがよく見ると、本物としか思えません。

 でも、なんで人がハリツケなんかになっているのでしょう?

 は、20才前後くらいの青年のように思えました。

 ミイラのようになってはいましたが、若々しさがあります。服装は、シャツもズボンも紺色で、作業服のような物でした。

「シッカリして!」

 女の子は、飛びつくように青年に近づきます。そして肩から下げたカバンの中から、ナイフを取り出しました。

 そのナイフでハリツケにしているロープを、切ろうとしているようです。

 どこか現実とは思えず、わたしはその様子を、ぼう然と見ていました。

 その時、ふと隣にあった立て札が目に入ります。


『この男、ウソをつきし者なり

   1.生死に関するウソ

   2.親に対するウソ

 以上2件のウソにより死罪とする』

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