岐阜と長野の修学旅行~善光寺~

岐阜と長野に修学旅行で行った。


くねくねとバスは雄大な山の景色の中を走っている。

3人で、山々の風景を見ている。


美羽ちゃんは

「これは帰ったら、山の景色、いっぱい描けそうやなー」

ってあやめっちを見て言っている。

「ほんまやなー!山の風景画めっちゃ描けるわ」

って、あやめっちも美羽ちゃんに答えた。

「ふだん大阪にいても山の風景画はなかなか描かれへんからなー」

って美羽ちゃんに言ったら

「大阪にも山あるし、六甲山もあるし、描こうと思えば、結構描けるんやで」

って美羽ちゃんに言われた。

「そやなー!中学のまわりも自然多いしなー」

「ほんまそれ」


「あやめっちは美羽ちゃんの絵ばっかり描いてるんやろ!」

って優奈ちゃんにつっこまれた。

「あはは、なんで知ってるん?」

「やっぱりな!」

「うわっ!優奈ちゃん!」


「菜の花や~、月は東に、日は西に~」

って優奈ちゃんは575の俳句を詠みだした。

「なに、それ?」

「あやめっち知らんの?」

「知らんわ」

「えーっ?そんなあほなー!こんな有名な句、知らんやなんてー!そんな人おったんやー」

「有名な句なん?」

「蕪村の六甲山で詠んだ句やでー!」

「蕪村?」

「与謝蕪村!」

「ああ、名前は知ってるわ」

「大阪の人なんやでー!江戸時代の摂津国の」

「摂津富田の摂津?」


「そやでー!六甲の菜の花の季節の満月と太陽を同時に詠みこんだ、うちの好きな俳句やねん」

「なるほど」

「なるほどって、あやめっち、この句の描いてる状況わかってんの?」

「状況って?」

「月は東に、日は西にってことは、日没時に、東の空には登って来た満月、見えてるってことやでー!菜の花の春の満月の時期に!」

「そっかー」

「きれいな風景画みたいな俳句なんやからー」

「絵にもなりそうやなー」

「そうやでー!あやめっちも美術部なんやからなー」

「うんっ!めっちゃ描きたくなるような俳句やなー」

「そやろー」



善光寺に到着した。

3人で緑豊かな善光寺を歩いた。

「牛にひかれて善光寺詣り」って描かれた湯呑みをおみやげに買った。


「善光寺も大阪と関係あるんやでー」

って優奈ちゃん。

「なんでー?」

「本田善光さんって人おって、大阪の川、難波の堀江で阿弥陀如来を見つけ、それを善光寺の場所に持って行って奉って、そこから善光寺になったんやから」

「そうやったんやー」


夜は美羽ちゃん優奈ちゃんといっしょにお風呂に入った。

「小学生の時の修学旅行以来やなー!3人で、こうやってお風呂に入るの」

って美羽ちゃん。

「そやなー!」

って言いながら、あやめっちと優奈ちゃんは、小学生の時そのあとふたりで、もう1回温泉に入ったことを想い出していた。


「美羽ちゃん、卓球大会で優勝して、もらってきた温泉たまご、めっちゃ美味しかったもんなー」

「なー」

って、優奈ちゃんとあやめっちは、ふたりで誤魔化した。




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