第12話 アイカちゃん

「愚かだなあ」

「……!」


目を見開く。

背筋が凍るような嫌な気配がする。

「アイカちゃん!!」


あの子、アイカって言うことをその場で知る。

知ったところで、もう遅い。


だって、だって——

残酷に殺されていたんだから。


「一瞬現実に帰られちゃって困ったよ~」

「だからこうでもしないとって思ってさ!」


「糸で絞め殺しちゃったあ!」


眼球が凍りそうで、不愉快極まりない。

初めて感じるこの気持ちに気持ち悪い。


眩暈がする。

「お前、お前……!」


「どんどん死んでくな~」

「次は誰かな?」


「みんな殺しちゃうんだから」


「味方だと思ってたのに、!」

「味方?そんなわけないじゃん笑」


「雰囲気よくなればいいな~って思ってさ笑」

「もしかして、あれ本当だと思ってたの?」


「馬鹿かよ」


「いい加減にしろ!!」

「なに?頭までおかしくなっちゃった?」


「殺した子はどこにいるの……」

「僕がぜ~んぶ喰ってあげたよ?」


「嘘……」

「っじゃあアイカも⁉」

「喰うに決まってんじゃ~ん笑」


「もしかして喰われたい?」

「いいよ~喰ってあげるからあ~」

「あれ?絶望しちゃった?」


「最高だねえその顔」

「僕の下の子たちが活躍してるから喰われてあげてっ」


「お前らが小賢しい真似をするから喰えないんだよ」

「惨めだからやめろ」


「つまりそれは、嫌ってこと?」

「当たり前だろ」


「それと、小賢しい真似?」

「私たちは必死に逃げてるんだけど?」


「黙れ黙れ!!」

「あれえ?口実なくなっちゃった?」

「残念だねえ~」


「五月蠅い、今日は帰れ!!」

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