第10話 現実への道

やることがなくて、

結局なんもしたくなくて、

いつもその人らしいことができるように、

手伝ってあげてる。


それだけを望んでる。

それしか、望めなかった。


辛くても辛くても受験はみな、平等に来る。


嫌な奴の隣で受験することになったり、

頭のいい大学に行けなかったら、とも考える。


だけど、動きたくない。

これから勉強しても、間に合わない。


だって、追いつけない。


なら、この場で死ぬチャンス……?

「こっち来ないでくれる?って感じ笑」


「……。」

心配そうな顔で見てくると、

余計に苦しくなりそうだった。


「はあ、願いを叶えたいよおおおお!!」


「鬼を檻に閉じ込めればいいんだよぉ?」


「みーんな閉じ込めたら、君だけに願いを叶わせてあげるからぁ!」


「えへへっ」

「今日もみんな、生きてみてねぇ?」

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