お・化・け・屋・敷

るるあ

第1話 あなたはだあれ?

「た・す・け・て・!」

「え、」 


「た〜す〜け〜てってば〜」

「誰、!?」

「ふふふっ!」

「誰だろうねえ〜!」


「誰なの、ねえ、教えてよ、!」

「お名前無いんだよねえ〜!」

「どこから来たの!?」

「どこだろうねえ〜!」

「なに、そのわざとらしい言い方!」

「すっごくムカつく!」

「今すぐやめて!」


「ふふふっ!わかったあ!」

「じゃあ、君も誰?」

「僕、自分が誰か知らないんだあ〜!」


「ほんとだよね、」

「誰だろうね。」

「……っ、!」

怖すぎる、誰なの!?


「へへへ〜」

「だからこういう喋り方してるんだあ!」

「た、た、すっ、!」

「……助け、て…っ、!」


不気味な笑顔を浮かべて、その子は私を見つめていた。


「おはようございます」

「今朝のニュースをお伝えします」


「昨夜、怪事件があったようで、」

「1人の女性が行方不明となっています。」


「では、怪事件などに詳しい、」

「谷口彩菜教授に聞きます。」

「谷口さん、この昨夜起きた怪事件についてどう思いますか?」


「これは今まで何回か起きたことがあるものだと考えています。」

……ぶっちゃけ、どうでもいいわ、

このニュース。


怪事件とか、あるわけないでしょ、

ファンタジーじゃないんだから。

馬鹿も程々にしろって感じ。


「続いては、特集です」

テレビの音がうるさくなって

すぐ消した。

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