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「ピエロよ、再びお前が嘘をついたら今度はお前が誰にも嘘をつけないように、お前の舌を引っこ抜いてしまうからな! それを決して忘れるな!」と王様はピエロにそういい残したのです。


「はい、王様ありがとうございます! ボクはもう二度と誰にも嘘をつきません!」


 ピエロは王様に二度と嘘をつかないことを約束したのです。しかし、ピエロは王様の忠告を無視して再び町に戻ると、ピエロは町の人達に沢山の嘘をついたのでです。それが王様の耳に届くと王様はカンカンになって怒りました。


「ええい、大臣! 嘘つきピエロの舌を引っこ抜いてしまえ! もう二度と誰にも嘘をつけなくさせるのだ!」


 そう言って王様は大臣に命令を出しました。そして、あくる日の朝、大臣は嘘つきピエロを再び兵士に引っ捕らえさせました。そして、引っ捕らえると、嘘つきピエロの舌を引っこ抜こうとしたのです。


 嘘つきピエロはごめんなさいと、何度も泣いて謝りました。しかし、いくら泣いて謝っても。だれも嘘つきピエロの話は聞いてくれませんでした。そして嘘つきピエロは、とうとう自分の舌をなくしてしまったのです。


 嘘つきピエロは自分の舌をなくすと、悲しくて泣きました。「エーン エーン」と、泣いて泣いて泣き崩れました。しかし、いくら泣いても可哀想なことに、それを声に出すことはもう出来ませんでした。そして、嘘つきピエロは壊れると二度と誰にも嘘をつけなくなったのです。


 ボクはひとりぼっちの嘘つきピエロ。ボクは誰かに見てもらいたくて、ボクは誰にかまって欲しかったんだ――。



-おわり-


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一人ぼっちの嘘つきピエロ 成瀬瑛理 @face52

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