2
「ピエロよ、再びお前が嘘をついたら今度はお前が誰にも嘘をつけないように、お前の舌を引っこ抜いてしまうからな! それを決して忘れるな!」と王様はピエロにそういい残したのです。
「はい、王様ありがとうございます! ボクはもう二度と誰にも嘘をつきません!」
ピエロは王様に二度と嘘をつかないことを約束したのです。しかし、ピエロは王様の忠告を無視して再び町に戻ると、ピエロは町の人達に沢山の嘘をついたのでです。それが王様の耳に届くと王様はカンカンになって怒りました。
「ええい、大臣! 嘘つきピエロの舌を引っこ抜いてしまえ! もう二度と誰にも嘘をつけなくさせるのだ!」
そう言って王様は大臣に命令を出しました。そして、あくる日の朝、大臣は嘘つきピエロを再び兵士に引っ捕らえさせました。そして、引っ捕らえると、嘘つきピエロの舌を引っこ抜こうとしたのです。
嘘つきピエロはごめんなさいと、何度も泣いて謝りました。しかし、いくら泣いて謝っても。だれも嘘つきピエロの話は聞いてくれませんでした。そして嘘つきピエロは、とうとう自分の舌をなくしてしまったのです。
嘘つきピエロは自分の舌をなくすと、悲しくて泣きました。「エーン エーン」と、泣いて泣いて泣き崩れました。しかし、いくら泣いても可哀想なことに、それを声に出すことはもう出来ませんでした。そして、嘘つきピエロは壊れると二度と誰にも嘘をつけなくなったのです。
ボクはひとりぼっちの嘘つきピエロ。ボクは誰かに見てもらいたくて、ボクは誰にかまって欲しかったんだ――。
-おわり-
一人ぼっちの嘘つきピエロ 成瀬瑛理 @face52
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます