第8話 心の神様
「私もあなたと同じで、転落死した人なの」
「どうしたら心の神様になれるの?」
「死んだ人がここへ来るとき、」
「ランダムで勝手に決まる。」
「じゃあ……、!」
「私は、あなたが誰だか知らないけど。」
「……うん、私も分かんない。」
星を1人にしてしまった自分が馬鹿だった。
今は、2030年。
ということは、高校生か、大学生くらい?
いや、もう社会人?
どっちにしろ、もう会えない。
無意識に、私は外へ出る扉を開けていた。
「星はどこかなあ」
とりあえず、家に戻る。
「あ、ここの駅……」
人身事故がめっちゃ発生してたとこ。
私の心の神様が呪ってたとは思えない。
本当に思えない。
「へえ、近くに博物館もできたんだ」
少しだけ、見てみることにした。
入り口に、大きく、
「人身事故の呪い」と書かれていた。
「もしかして、これ、最近の……?」
「お客様」
「うわっ!」
「こちらは最近のではありませんよ。」
「だいぶ前のものです。」
「確か、30年ほど前のですね」
「そんなに前なんですか」
「不思議なお客様もいるんですねえ」
「す、すみません……」
「いえ、あなたのようなお客様も少なくありませんから」
「大丈夫です」
「家、どこ?」
家に戻っているはず。
もうここは私の家付近だけど……?
あ、あっちだ。
しばらくして、見えた。
星の、姿が。
「ほ、星……、!」
口に出してはいけないんだろう。
だけど、そう思ったときには口にしていた。
星が、こちらを見る。
「……どちら様でしょうか」
「え、」
「おはよ~星」
「綺羅、この人誰か知ってる?」
「……、」
私をギロリと睨む。
そして、目を丸くしたのかしてないのか、
わからないくらいの中間で、
知っているかのような目をしている。
「……知らない、」
「そっか〜」
「星……、」
その生徒は、綺羅と言う名前だった。
初めて、知った。
桜先生を、虐めていたあの生徒。
私が一番嫌いな人。
大嫌いな人。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます