第1話 終わりの始まり

 ゆっくりと階段を上っていく。

 やっとこの苦しい状況から解放されるのだが、心は穏やかではない。

 だが、頭の脳内は依然と真っ白なままだが、身体の全てを司る司令塔が直接指示は出さなくても身体は一体化されているように歩くスピードが落ちる事がなかった。

 

 上った先の扉を開くと、見慣れた風景が漂っていた。 

 学校の屋上だ。

 青い空の下で部活に励む人や友達と談笑して帰宅をする人それぞれに青春の一ページに思い出を記していて楽しそうだった。

 僕も少し前までは、、、同じであった。

 

 何がいけなかったのか?

 何が悪かったのか?

 どうしたらよかったのか?


 あの日から自問自答ばかりしていては、答えに辿り着かず頭を抱えていた。

 だが、今日で無事解決だ。

 酷い仕打ちをされていたとはいえこれで皆と会えなくなるのは寂しくなった。

 


 'あー僕は最後まで不甲斐ないな'

 


 


 ゆっくりと手摺に手を掛け飛び越える。

 最後の力仕事だ。

 




 思い出が一番詰まっているこの場所であの世に逝けるなんて.......僕はとんだ幸せ者だな。


 

 後悔はない。

 もう、やるべき事はやった。


 

 後は、ゆっくりと天国で皆の姿を見守る事に

しよう。



 そして、僕はゆっくりと地面に向かって垂直に落下をしていく。

 引き攣った状態の顔だったが、、、純粋な笑顔を浮かべていた。



 落下している最中に色んな思考が駆け巡っていく。


  'この姿をみてみんなどう思うのかな?悲しんでくれるのかな?'

 

  '誰か一人でも僕の事忘れないでくれるといいな'


  

 

 どんどん地面に近づいていく。

 それにつれて僕の思考はみるみると加速していく。思わず、目から涙が溢れ出てしまう。




 'いつも皆の邪魔しててごめんね!もっと早くに気付けば良かった。もう大丈夫だから'

 


 '生まれ変わったらもう一度あの頃の優しかった皆と会いたいな'

 

 


 

 '会いたい?、、、ほんとにそうなのだろうか?'



 今のこの現状に何か乗っ取られたような取り憑いていた感情から解放されるように思考がクリアになっていく。

 段々と見えなかった自分が見えてきた。




 'もう、、、疲れた'



 'どうして僕がこんな目に遭っているんだろう?'

 



 '結局...誰も僕の事を信じてくれなかったな。はぁーーー'






 

 そして、身体に地面が接触する寸前には



 '絶対にお前らを許さない......おぼえとけよ'





 最後に感じたのは怒りであった。




 地面には真っ赤な血が染まってた。

 それに気付いた生徒達があわあわとして悲鳴を上げていた。

 辺りは騒然となり、数十分後にはパトカーや救急車のサイレンが鳴り響いていた。


 

 数時間後には辺りの住民や市全体に情報が回り飛び降り自殺を図ったうるし 修也しゅうやは、誰もが亡くなったと思っていた。


 

 


 だが、夜の学校の屋上で誰も見ていないところから人影が、、、

「ここで終わらないなんてつくづく運の悪い奴だな」


 と、言葉を吐き捨てたのだった。



 

 


 




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※作者は病んではいないです。

私は主人公がハーレムで平和なラブコメの作品が大好きです。

目標の10万文字を目標に頑張ります。

違和感や誤字脱字等があればコメントの方お願いします。





 




 

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