絶望した俺は遂にメッキを剥がす
@oraganbaru
プロローグ
僕はここに必要なのだろうか?
僕が教室に入る事で、一段と空気が沈んでいく。
「相変わらず邪魔だよなー」
「いい加減さ、察しが悪いのも疲れるんだわ、こっちも」
周りにいるクラスメイトの各々が好きなように誰かに直接語りかける訳ではなく、独り言を呟いている。
ここにいる誰しもが、誰に向かって言っているのか分かっていた。
勿論僕も知っている。
一番と言っても過言ではない。
何故なら、当の本人である僕に対して言っているからだ。
決して被害妄想なのではない。
こうなってしまった原因は知っている。
俺はとある事件の加害者として容疑をかけられていた過去があった。
それも、一度ではない。何度もだった。
結局のところ証拠不十分という事で釈放されたのだが、事件に関与している人達からは何故か執拗に僕がやったのだと周りに言いふらすのであった。
一度ならまだしも何回も同じ状況が続くならやっていた事実はないにしても疑われてしまう。
最初は遊び半分で揶揄われる程度だったが、今になってはこの有り様であった。
なんとか、誤解を解きたい。
でも、色んな方法を模索した結果、やってない証拠がない以上、僕からの話だけでは誰も信じてくれはしない。
やっている証拠よりやってない証拠の方が証明は難しい。
俺の過去にやってきた行動の全ては俺しか知らないのだから・・・・・・。
どうしたらいいのか、、、。
僕には...もう..........
決して目は合わせはしないが、周りには笑う者や、一緒になって便乗している者もいた。
俺は悲しくなりそうな気持ちを抑えつつゆっくり自分の机の元へと歩いていく。
すると、僕が通る瞬間にわざと聞こえるように悪口を言う。
「あーまじでうざいんですけど!」
「はやく空気読んでどっかいってくんないかな」
昔のいじめは直接、暴力を振るったり、悪口を言ったりする事が多いのだが、最近ではこのような誰もが加害者とならないような立ち回りをする人達、所謂悪質で陰湿なやり方があるのだ。
後からいつでも、言い訳が出来るように......僕に直接投げ掛けられる事はないだろう。
僕が被害を訴えたところで対抗手段はなければ、仮にあったとしても今の僕の立ち位置として最悪学校側は黙認というやり方も考えられる。
それに、有力な証拠になりえるような物が一つもない。
何かしらの手を使えば出来なくはないのだが.........。
その気力も無ければ、誰も信じてくれない空気に僕の心は折れかけていた。
'はやく、解放されたいな。誰か助けて、、、'
声にもならない心の声が気持ちとして出る。
そんな気持ちを知ってか知らないか自分の机の前に行く手前に足を引っ掛けられた。
「あぁーごめーん、気付かなかったーー!」
席の前にいる、幼馴染の
変わり果てた幼馴染の様子を見て悲しくなり、黙って自分の席へと座る。
反応が面白くなかったのか、幼馴染やその周りにいる取り巻き達は舌打ちをした。
あの事件からかれこれ半年が経った。
何度も何度も説得を試みた時期があったが、、、半ば諦めていた。
この地獄のような環境でも耐えるべく、自分の心をなんとか誤魔化すために、気付かない振りや、鈍感な振りをする事で正気も保っていたが今日は平日の月曜日。
とうとう精神的や体力的にも限界がきていた。
出来るだけ、クラスメイトの人達と視線が合わないように窓へと視線を向ける。
雲一つない快晴だ。
カラスが活き活きと餌を探し求めて'カァーカァー'と鳴いていた。
'はぁー'とクラスメイトに刺激にならないように心の中で溜め息を吐く。
何も考えず、ふと、この状況を眺めていたら悪魔的だが楽にする方法を思い浮かべたのだが、即座にぶんぶんと首を振る。
'僕が居なくなったら家族が悲しむだろう...'
僕の一番の理解者なのだ。
先に旅立つ訳にはいかない。
でも、その時が来るのはそう遠くは無かった。
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読んでいただきありがとうございます。
突然ですが、一言謝罪申し上げます。
実はストックがありません。
ですが、少しでも早く更新出来るように頑張ります。
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