ただ一つの願い

@saya1010

謎のブレスレット

 私は4月から聖願高校に入学した1年生の愛川優陽(あいかわゆうひ)。でも同じクラスの女の子にいじめられ今は不登校になっている。学校には不登校の子たちの精神状態を今以上に不安定にさせないため、カウンセリングを受けるようになっている。私は、学校の先生やお母さんに勧められ今は定期的にカウンセリングを受けに行っている。カウンセリングの先生によると私以外にもいじめに遭い不登校になっている生徒がカウンセリングに来ているらしい。私はいじめが無い世界があるならその世界に行きたいといつも考えていた。


 今日もいつものように学校へカウンセリングを受けに行き、家に帰るとお母さんにある一つのブレスレットを渡された。そのブレスレットの説明書にはこう書かれていた。{一つだけ何でも願いが叶うブレスレット}と。

 「何これ」

 「説明書に書いてある通りよ。そのブレスレットをちぎった時どんなことでも願いが叶うのよ優陽が今一番叶って欲しいこと、起こって欲しいこと、欲しいもの何でも一つ願いが叶うのよ。ただし来年の3月末までに願い事をしなければ願いは叶わなくなるから注意してね。それまではあなたが何を願い事として叶えるのかよく考えなさい。」

 お母さんはニコッと笑ってキッチンへ行き昼ごはんの準備に戻った。


 私は荷物を置きに行くために一度部屋に戻った。そしてもう一度お母さんからもらったブレスレットを手に取った。見た目はどこにでも売っていそうな赤を基調としたブレスレット。

 「こんなので本当にちぎるだけで願いが叶うのかな」

 私は疑いながらももし本当ならちぎってしまったら本当の願い事が叶わなくなる可能性があったため今はちぎらずにいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る