第四話「きみをおうえんする」

彼の所属する野球チームの試合を応援しに来た。

運動なんてガラでもない彼女だったが

彼がバッターボックスに立った瞬間に「いっけーーー!」の応援

彼はその声に応えるかのようにホームランを叩き込んだのだった。



________________




声にすることで

声にすることで

力になるなんて

声にすることで

声にすることで

キミに届くなんて

そんなこと無いのに

そんなことあり得ないのに

呼吸が止まりそうな瞬間

刹那 震える空気の流れ

時間が止まってしまって

キミしか見ていない私

声にすることで

声にすることで

力になるなんて

そんなこと

そんなこと

あり得ないのに

呼吸が止まりそうな瞬間

刹那 震える空気の流れ

血潮の流れに突き動かされて呼ぶ

キミの名前

声にすることで

声にすることで

この声でしかキミの力になれないとしても

声にしてキミの名前を呼ぶ

声にならない声で 声だけじゃ伝わらない声を





もしも理由ってヤツが必要なら

君の声が聞こえた

それだけでスイッチが入る単純なメカニズム

ニヒリズム気取りながら

君と一緒だと巧くリズムを刻めない そんな嘘を重ねて

何気なく欠伸した素振りで

君の横顔を盗み見してさ

鼓動のリズム 加速して歪(ひず)む

No Control 制御不能 理由不在のまま

やっぱり君を追いかけていて


もしも理由ってヤツが必要なら

君の声が聞こえた

そんなシンプルなアンプルを飲み干す感覚で

錯覚でも その隣が失格でも 幻覚を追いかけても

君を探している今この瞬間の全て


トリガー引いて フリックする感情

クリックしただけじゃ届かない 君に伝えたいリリック

knock? 弾道に叩きつけて

Swing 自分の中の弱さ甘さそれを叩き潰す感覚で


全部、理由は君なんだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る