第74話 【番外編:カレン様の聖なる日】

「まぁ…!これはわたくしが以前、ニコル様に"欲しい"と申し上げていたもの!なぜ殿下から…?」


わたくしは、ブルーミー侯爵家の一人娘、カレンと申します。

聖なる日の今日、殿下からプレゼントが届きました。


しかしなぜか、お茶会の際ニコル様に

"いつか欲しいもの"と口にしていた『あたたかいアイマスク、バスソルト、スノードーム』が入っていたのです。


なぜ、殿下がご存知だったのでしょうか…

メッセージカードには「楽しい時間を過ごせ」とだけ書いてあります。


―――ふふふ…

殿下らしいメッセージですわね。


『それにしても、梱包も包装も、なんて可愛らしいのでしょう…!』


かわいらしい包装紙やリボン、添えられていたお花を手に取り、思わず微笑んでしまいます。


『…そういえば、

ニコル様からもプレゼントが届いてましたわね!』


わたしはそれを思い出し、

ニコル様からのプレゼントを開けました。


「あら、こちらは!」


中を見てみるとなんと!

新しく開発したと仰っていた

お顔の美容パックとコロコロマッサージ棒なるものではありませんか!


いつもニコル様は、「おともだちですから特別に」と、新商品をいち早くくださいます。


ニコル様がおつくりになるものは、

本当に全てが目新しく、素晴らしいものばかりなんですよ!


おかげさまで、お母様もわたくしも、

親子で美容やティータイムを楽しめています。


『…あら、メッセージカードも!』


箱の中には、ニコル様からのメッセージカードもついていたので見てみましょう。


「カレン様、聖なる日おめでとうございます。楽しく過ごしていらっしゃいますか?

実は先日、殿下にこっそり"カレン様が欲しいものは何か"と聞かれたのです。

とても微笑ましく、僭越ながら少しご協力させていただきましたの。

プレゼントを見ていただければ、きっとその理由が分かりますわ!

この事は、殿下には内緒にしてくださいね。

ではまた、学園でお会いできるのを楽しみにしております。」


読み終えたわたくしは、

顔が真っ赤になるのを自身でも感じました。


『なんだか、あ、あついですわね!』


殿下がわたくしのためにそのようなことをされていただなんて…

ニコル様も…


わたくしはなんだか照れくさい気持ちになりながらも、

とてもあたたかく幸せな気持ちになりました。

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