第37話 兄の心配事
ぼくは、ワトソン伯爵家の嫡男、
キース・ワトソン。
ぼくには、尊敬するやさしい父上と、愛溢れる美しい母上、そして何よりも愛しい妹がいる。
ニコが変わったのは、年が明けた頃。
目を覚まさない事件があって、あれは一生忘れられない日になった。
妹とは3つ歳が離れていて、
ぼくはすでにデビュタントを終えている。
いつか父上の跡を継ぐために、いまは学園でも屋敷でも日々勉強に励んでいる。
時々重責を感じていっぱいいっぱいになる事もあるけれど、ぼくには癒しの妹がいる。
やさしくて、いつも僕のことを気にかけてくれる天使のような子だ。
部屋にこもっていた時は心配でたまらなかったけど、いまは元気になってきて、
ますます輝きを増していると思う。
『これは、違う意味で心配になってきたな…』
来年のデビュタントが来たら、妹も学園に通うことになる。
その時はぼくが守ってあげないと。
変な虫だけは絶対に寄せ付けたくない。
とはいえ来年はぼくも15歳になる。
成人したら婚約者探しも始まる。
ニコのようにやさしくて妖精のように可愛らしい人がいたらいいけど…
これは理想が高すぎるかな。
とにかくぼくは、
ニコが幸せならそれでいい。
ところで今日は"サウナ"というものを
家族みんなで楽しんだ。
あれは……正直はまってしまいそうだ。
雑念が吹き飛んでスッキリする。
最近のニコは突拍子も無いことを言うし
思いついたらすぐに実行する。
とはいえ料理も上手だし、特に菓子は世界一おいしい!
『今日の湯上りに飲んだ"いちごオレ"も最高だったな……』
学園から出た課題を終えたぼくは、
なんだか疲れたので部屋を出る。
またニコのモチモチ肌をツンツンして癒されようっと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます