第34話 さらなる健康宣言

庭に出ると、屋敷のみんながすでに集まってくれていた。

お兄様にエスコートしてもらい姿を現すと、


―――ほぅっ……


と息をのむ声が聞こえて、

「夏の妖精みたいだ」とあちこちから嬉しいお言葉をいただいた。


そうでしょうそうでしょう。

今日のために半身浴とスキンケアも頑張ったからね!


わたしはみんなへの感謝の気持ちをスピーチした。


こうして、無事に誕生日を迎えられたこと。

健康計画に付き合ってくれているお礼。

いつもやさしく見守ってくれるお礼。

みんなのことが大好きだということ。


そして最後に「来年のデビュタントに向けて、もっと健康になります!」と宣言をした。


こちらの世界は12歳で社交界デビューをする。

不健康なままでは、叶わなかっただろうけど、このままいけば充分に可能だ。


そこでは父と娘のダンスもあるみたいだし、

"ニコルお嬢様"のためにも、お父様のためにも、全力で磨きをかけていく次第である。


「ニコ……誕生日おめでとう。」

「愛しい私の子。生まれてきてくれてありがとう。」

「ニコが妹で幸せだよ。本当におめでとう。」

「「「ニコルお嬢様!おめでとうございます!」」」


スピーチを終えると、

両親もお兄様も抱きしめてくれて、

侍従たちは涙ぐみながら拍手をしてくれた。

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