第32話 誕生日当日

ついに来ましたこの日が!

そう……今日は8月18日!

前世のわたしサラと、いまのわたしニコルの誕生日である。


今日は楽しいことだらけ。

サウナと水風呂とベンチのお披露目会と…

みんなに料理を振る舞うことになっている!


という事で、朝から野菜を収穫し、

前日に仕込んでいた材料を取りだし…

いまは、しこたま料理をしているところだ。


体のこともあって屋敷内だけの誕生日会だが、さすがに大人数にふるまうので、

厨房の皆さんもお手伝いをしてくれている。


―――そういえば。


基本的に私に対して激甘な両親だが、

「料理がしたいです」と打ち明けた日は、

さすがに料理は危険だと言われてしまった。


しかしそこはお約束。


「ここまでわたしの健康計画に付き合ってくれているみんなへお礼がしたいのです!それにもしもこの料理がおいしければ、商会ギルドにレシピも売ることができ、領民の畑拡大。野菜作りという仕事にも繋がります!」


そう訴えかけると

「その年で領民のことも考えているとは…」

「やはり私の娘は天使ですわ…」

と親バカを発揮し快諾してくれた。


やさしすぎる!そして見た目もよすぎる!


しかし最近やたらと「将来の夢はなにか」を聞かれる。

もしかして、何を目指しているのか疑問に思われているのだろうか……


わたしの夢は、ただおいしいものを食べながら、健康かつ、たのしくのんびり暮らすことですよ。

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