第30話 母の想い 1
私は、ワトソン伯爵家当主であるエリク・ワトソンの妻であるメイア・ワトソン。
やさしく美丈夫な夫と、愛しく美しい息子と娘に囲まれて、毎日楽しく過ごしています。
特に年が明けてからは楽しさが増し、
それは娘であるニコルが元気になったことが
大きな理由だと思っています。
昨年までは、やせ細り青い顔をし部屋の中でおとなしく過ごし続けていたニコル。
笑いかけてはくれますが、時々ふと消えてしまいそうで…
『変わってあげられるものならば変わってあげたい。どうか病が治りますように…』と、
毎日毎日懸命に祈りを捧げておりました。
原因不明の病。
なぜ娘がそんな目にと、自らを恨んだこともありました。
そんな娘が、もうすぐ11歳の誕生日をむかえます。
こうして娘の成長を見届けられること。
それがどれほど嬉しいことか。
急に健康計画書なるものを見せられた時は驚きましたが、自分でたくさん調べたのでしょうね。
「健康になって、みんなと楽しい時間をもっとすごしたいのです!」
とキラキラした瞳で言ってくれたあの日。
それを思い出すと、やはり嬉しくて、愛しくて…なぜか涙が出てきます。
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