第14話 カラダの基本
「よし!できたー!」
わたしは羊皮紙を手に取ると
満足気にそれを眺めた。
―――ここに至るまでの経緯は以下の通り。
今日も今日とてベッドの上で朝食をとったあと、メイドのマリアが体をきれいに拭いてくれて、着替えも済ませてくれた。
はじめの頃は戸惑ったものの、
莫大な借金に比べればどうってことはない。
至れり尽くせりの環境に申し訳なさもあるが
いまのところ異世界の暮らしは快適そのものだった。
―――ただひとつ。不健康さを除けば。
そう、この体は少しでも調子に乗ると
すぐに疲れるか、倒れてしまうのだ。
前世では限界社会人だったわたし。
一日中休みなく動き回っていたあの頃の感覚で何かをしようとすると、反動が大きすぎる。
『なんとかせねば……』
これは転生初日からずっと思っていたが、
そもそもなんでこんなに体が弱いのかが分からなかったのでどうすることもできなかった。
ちなみにこの病気の原因は分からず、
家族も、医師でさえも知らなかった。
医療の研究は前世ほど発達していないようだ。
治癒魔法があるから納得ではある。
そこから毎日この虚弱体質の原因と
健康について考えていたのだが…
今日の朝、急にひらめいたのだのだ!
『もしかして根本が原因なのでは…?』
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