異世界道中ゆめうつつ! 転生したら虚弱令嬢でした。チート能力なしでたのしい健康スローライフ!

マーニー

第1話 大晦日の夜とボロアパート

――――ゴーン…ゴーン…


ゆく年くる年。大晦日の夜。

除夜の鐘が鳴り響く中、

風呂なし4畳半のボロアパートで

札束を数える女がひとり。


「う~ん…33、34、35まんえん…っと。

お、今月は少し多めだ!」


全てのお金を数え終わると、

「家計簿」と書かれたノートに

鬼の形相で全ての支出入を書き込んでいく。


「家賃が3万円。光熱費と銭湯代全部合わせて1万円。携帯と、日用品と…あ、あと食費。

そんでもって、返済額が25万円…」


新しい年がやってくるまであと10分。


彼女は家計簿をつけ終わると、

テレビもない静かな部屋の中で

天井に向かって大きく伸びをした。

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