『【神隠し】ある小学生が残した日記について』
名無しの報告者XXX ▋: ^ )
――本文
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今日から新学期、新しいクラスは不安もあるけどドキドキもたくさん。みんなと友達になれるかな?
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新学期になってから、新しい友達もできた。授業中に話すのは禁止だけど、休み時間には一緒に遊んだり、おしゃべりしたりすることができる。今度、一緒に遊びに行く約束もした。楽しみだな。
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新学期に入ってから、少しずつ成績が上がってきた。先生から褒められることも多くなって、自信がついた。でも、まだまだ苦手な科目もあるので、もっと頑張らなくちゃ。
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今日は運動会があった。たくさん走ったり跳んだりして、とっても楽しかった!、運動会で一番になるために、毎日練習をがんばったから勝つ事ができてよかった。
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今日は梅雨入りした。毎日雨が降って、風邪を引かないように気をつけなくちゃ。でも、雨が降るときは、雨の音を聞きながら、家でのんびり本を読んだり、絵を描いたりするのも楽しい。
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今日は一人で外で遊んでいたら不思議な場所を見つけた。最初は、うす暗くて少し怖かったけど。そこにいた男の子と友だちになって、怖くなくなった。
男の子にここのことは秘密にしてって言われたから、みんなには言わないようにしないと
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今日は帰り道に、また森のひみつの場所を通って帰った。そこで男の子といろんな昔の遊びをして遊んだ。
男の子はぼくの知らないことをいっぱい教えてくれるし一緒にいると楽しい。でも、話してくれたことはみんなにナイショにしなきゃ
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今日は森にあるひみつの場所に行って、男の子と遊んだ。今回はぼくが遊んでるゲーム機を持っていって一緒にゲームをして遊んだんだ。最近のゲームは初めてやるみたいで最初は下手だったけど教えたらぼくよりも上手くなってた。いっぱい遊べて楽しかったけど、つい遊びすぎちゃって帰るのが夜になっちゃった。
帰ったらお母さんにとても怒られた。
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学校もお休みだったので今日は朝からひみつの場所に行くことにした。男の子と一日ずっと遊んだし不思議なものも見せてくれて楽しかった。
でも、帰ったらお母さんにどこに行ってたの?って言われた、バレてないよね?
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ひみつの場所から帰る途中にお母さんに見つかっちゃった。
どうやら僕のあとをつけていたらしい。
あそこには二度と行かないでと怒られちゃった。また明日も遊ぼうって約束したのにどうしよう……
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今日は家に帰って、部屋でひとりで遊んでいた。でも、なんだかひとりじゃないような気がして落ち着かなかった。でも、誰もいなかったんだよね。なんだろう?
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もうすぐ夏休みが始まる。新しい学期もあっという間に過ぎてしまった。たくさん勉強して、たくさん遊んで、夏休みの思い出を作ろう!
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あれからずっと、ひみつの場所に行けてない。また男の子と遊びたいなぁ……
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夜に寝ていたら、部屋のドアの前で足音がした。でもドアを開けたら誰もいなかったんだ。最近だれかにずっと追いかけられてる気がする。
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友達と一緒にきもだめしをすることになって、みんなと夜に学校に忍び込んだ。
ぼくたちのクラスの教室に入ったら、窓の外におかしな影が映ってた。でも、誰もいなかったように見えたんだ。なんだったんだろう。
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もうすぐ夏休みも最終日だ、夏休みは本当に楽しかった。海やプールに行ったり、お祭りに行ったり、友達と遊んだりしてたくさん思い出を作った。夏休みの宿題も忘れずにやないと
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夏休み最終日、明日からはまた学校が始まる。今日は夏休みの宿題も最後の仕上げをした。明日の授業でする自由研究の発表会の準備も万端だ。
またみんなと会えるのは楽しみだけど、勉強も大変そう。夏休みの終わりって寂しいなぁ。
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今日は学校の帰りにお母さんに内緒で森の中になるひみつの場所にいってきた。でもどこを探しても男の子がいなかったんだ。久しぶりに遊びたかったんだけど引っ越しちゃったのかな。もしきらわれてたらどうしよう……
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学校でいやなことがあった。友達とケンカをしたんだ。
僕のせいじゃないと言ったけど、先生は僕の話を聞いてくれなかった。
絶対、悪いのはアイツなのに!
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最近、みんなから仲間はずれにされている気がする。
友達もぼくのをさけようとしてくる。
学校に行くのが怖い。
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お母さんに学校へ行きたくないと言ったら、行きなさいと怒られた。
それで、お母さんとケンカしちゃったし、何だか気分が落ち込んでる。
もうみんなきらいだ!
明日はもう一度、森に行ってひみつの場所まで行こうと思ってる、今度は男の子いるかな。
――――日記はここで途切れている。
この日記は202*年*月**日、日記を書いた少年の住んでいた家で見つかったもので、日記は少年の自室に置いてあり、たまたま両親によって発見された。この日記を書いた少年は202*年*月**日から行方不明になっており、現在も見つかっていない。
最後に周辺に住む住人が目撃した情報では、██県 ██市にある森の中に入っていくところを見たという事のみがわかっているが、その後の情報は一切、途絶えている。
この日記を読む限り、少年は森の中にある"ひみつの場所"に向かったと推測できるが、それが何を指すのか、この日記に書かれている情報からは読み取ることができない。
ところが、後の調べで”森の中のひみつの場所”とは██県██市の山奥の森に長年放置されたままになっている、使われていない廃神社であることがわかった。
山奥の森にある廃神社は、森の真ん中にある空き地にあり、神社は小さく、周りは木々や雑草に囲まれている。神社の入口には鳥居があり、鳥居は苔で覆われ、所々朽ちている。鳥居をくぐると、境内の中央に小さな本殿があり、本殿も苔で覆われ、屋根の瓦は壊れて落ちていた。
もちろん、その廃神社には誰も住んでおらず、警察が捜索を行った時にも、人が住んでいる気配はなかったという。警察による必至の捜索も虚しく、その廃墟からはその少年に関する手がかりとなるものは何一つ見つけることができなかった。
日本には大和王権成立よりも以前、古来より存在した名前もない得体の知れない神を祀っている神社が幾つか存在すると言われている。これらの神社は神社本庁にも属していない独自の信仰体系を持っており、その数や所在地は正確には把握されていない。その地域に住む人々によって口承や伝承を通じて伝えられ、一部の地域では特別な信仰の対象とされている。
この山奥で見つかった古い廃神社も、そういった類の一つと見られる。
また、廃神社には誰も住んでいないはずだが、日記に登場する"男の子"とは一体何者なのだろうか?
古い文献を調べたところ、少年の住んでいるその田舎町では古くから神・隠・し・の伝承が語り継がれていることがわかった。伝承によれば、この地域では子供の幽霊が現れ、彼らについていくと「向こうの世界」へ連れて行かれてしまうとされている。
かつては、この神隠しの伝承が町の人々に深く信じられ、子供たちが森の奥深くに足を踏み入れることや、見知らぬ子供に誘われてついて行くことに対して、強い警戒心が持たれていた。人々はその伝承を通じて、森の中には未知の力や存在が潜んでおり、注意が必要であると教えられてきたのだ。それも、時代が流れるにつれ、その伝承を信じるものも少なくなっていった。今や、このの伝承を知る手掛かりとなるものは町の図書館に保管されている古い文献しかない。
この文献に書かれている事が真実だとするならば、少年はその廃神社で出会った"男の子"とともに、「向こうの世界」へ旅立ってしまったのかもしれない。
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