Energies Enter Chapter1

@arugon3721

プロローグ

プロローグ


 『幻素げんそ』。人はそれらをそう呼んだ。

 ハワイ諸島、現国際第一封鎖地区を起点とした大災害、それは世界を変えた。いわゆる“第一次幻素災害”は世界にある“電子“をばら撒いた。その電子の名を、『幻電子げんでんし』と名付けた。


 『幻電子』はあらゆる電子殻に入り込む電子だ。それには原子をより活性化し、より強くあらゆる反応を起こさせる物質へと変化させた。そして、新しい物質も作りだした。それが『幻素』である。

 当時、世界はあちらこちらでエネルギー枯渇していたため、世界のあちらこちらで、災害の被害はあちらこちらであったものの、人々は“恵の災害“と言って称えた。


 だが当然、それを利用とする物も現れた。多くのテロ組織は、『幻素』による武装強化を早急に進め、災害から1年後には23の国がまさしく“ディストピア“と化していた。それを防ぐため、その他の国も『幻素』で武装、応戦した。結果ある程度の鎮圧がされ、現在はいくつかの大規模組織が残るが、大規模な争いは無い。

 それでも、『幻素』を利用した犯罪は残り続ける。極東のこの国、日の国では、徐々に増える犯罪は警察の手があまり、新しい力を欲した。


 そこで、当時話題になり始めた『奇跡の子供』に目をつけた。『奇跡の子供』は、自分に適合した『幻素』を操る存在だ。『幻電子』の流れを利用して身体能力を高め、機械を通さずとも『幻素』操り、己が体に『幻素』貯めることのできる子供達だ。

 その子供達は、“第一次幻素災害“後に多く生まれ、その時点でまだ最高年齢でも12であったが、十分な力を保持していた。

 そのため、“警視庁幻素少年対策課“を作り、まず7人の子供をそこに所属させることに決めた。これは、そんな少年達の物語である。

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