夏休み 初日

「それじゃあ、行ってくるよ」

「本当に大丈夫? 何もされてない?」


 家に帰ると、ボクはミサキさんの家に泊まる支度を済ませた。

 ボストンバッグに衣類を詰め込み、歯ブラシなどを忘れずに入れる。


 おばあちゃんからすれば、心配なのだろう。

 だけど、ボクは安心させるために、首を縦に振る。


「大丈夫。あの男と違って、ミサキさんは優しいから」

「そう。何かあったら、すぐに帰ってきていいからね」

「うん。ありがと」


 バッグを担ぎ、靴を履く。


「行ってきます」


 ボクの夏休みが始まった。

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