ブラックアウト

「あれ?」


 気が付けば、ボクは牛河さんのベッドで寝ていた。

 まだ頭がぼんやりとしてるけど、気分はスッキリしていた。


「おはよ」

「ごめん。寝ちゃってたみたいで」

「いいよ。疲れてたんだろうし」


 ベッドの横に座っていた牛河さんが、にこりと笑った。

 確か、映画を観ていたはずだけど、段々眠くなってきて、寝ないように頑張っていたはずだ。


 でも、寝ていたということは、睡魔に勝てなかったのだろう。


 牛河さんに頬をツンツンとされて、「可愛かった」と笑われた。

 窓から外を見ると、すっかり夕暮れ。


「ご飯できてるから。よかったら、食べて行ってよ」

「でも……」

「いいの。気にしないで」


 何だか、牛河さんは上機嫌だった。

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