12装備:再

 モーガスさんの鍛冶屋にやってきた。


「すみませーん」


 中に誰もいなかったので奥に声をかけてみる。


「モーガスさん留守にしてるのかな。」

「おにーさん、いたよー」


 アリアとモーガスさんが一緒にやってくる。


「すみません、少し買い物に行っていまして。」

「いえ、こちらこそ夜にすみません。」


 そう、クエストに行って魔族と戦い帰ってきて治療やなんやとやっていたら夜になっていた。

 明日にすればよかったかな。


「大丈夫ですよ。初クエストで魔族と戦ったそうですね。街で聞きましたよ。しかも討伐してしまったとか!」

「アリアが討伐したんですよ。俺も協力しましたけどね。」

「ご謙遜を。その腰の剣を見たらわかりますよ。」


 鍛治士ってのは武器を見ただけでわかるもんなのか。すげぇ


「アリアさんからある程度聞きましたが、丈夫な剣が欲しいそうですが。」

「はい。出来ればでいいんですが。」

「丈夫となるとその剣より重く太くなりますが、どうでしょう?」


 重くなるのかぁ。重いと反応が遅れるしなぁ。ただ壊れにくいなら1本くらい持っておいてもいいかもしれないか。


「ただ丈夫な剣と言っても限度があるので、絶対に壊れないものは難しいでしょう。」


 ですよねぇ。仕方ない。


「なるほど。じゃあ、この剣と同じものをもう1本欲しいのですがありますか?」

「ありますが、他の剣ではなくていいんですか?」

「この形状の剣が好きなんです。次は上手く使いますよ。」

「わかりました。魔族討伐したと言うことでサービスです。無償で2本差し上げますよ!」


 まじか!ラッキー!


「えー私にはーー?」

「アリアさんはSランクなのでもっと頑張ってください。」

「けちー」

「今持ってきますのでお待ちください。」

 

 モーガスさんはそう言い奥に行く。


「おにーさん、あの剣でいいの?」

「あぁ。あの剣がいいな。あの剣というかあの形状だな。軽くて斬ることに特化してる。」


 それに日本男児なら刀に憧れないはずはない。ソースは俺。


「魔法はどうするの?」

「練習する。威力とかは落ちるだろうけどセーブして使うかな。それにまた新しい魔法造るさ。簡単じゃないだろうけどな。」

「手伝うよー!」

「ありがとう。」

「あとねー、もしかしたらダンジョン武器ならおにーさんの理想の武器が出るかもね!」

「ダンジョン武器?」

「そう!ダンジョンボスを倒したら、ごく稀に武器が手に入ることがあるんだー。本当にごく稀にね」

「へぇー。武器の種類は?」

「ランダムかな。」

「・・・ごく稀を聞いても武器の種類がランダムなのか。むずくね?」

「まぁ、欲しい武器が手に入らなくても高値で売れるし、ボスの素材を武器にすることもできるからやって損はないと思うよ!」


 乱数の女神に祈るか。てか、ステータスの運を上げたら武器も出る可能性が上がるのかな。


「お待たせしました。こちらをどうぞ。」


 モーガスさんが2本の刀を持ってやってくる。


「ありがとうございます。あと聞きたいんですが、モーガスさんはダンジョンボスの素材を使ったらこの剣より丈夫なものを作れますか?」

「なるほど。オーダーメイドですか。素材によりますが出来ないことはないでしょう。その剣のオーダーは来たことがないですが力になることをお約束します。」


 よし。ダンジョン行こう。


「ありがとうございます。まぁ、当分は無理だと思うのでこの剣を使います。」

「わかりました。いくつか取り置きを用意しておきます。」

「ありがたいです。」

「おにーさん、そろそろ帰ろうー」

「あぁ。じゃあ、モーガスさん今日はありがとうございました。」

「いえいえ、お気をつけて。」


 アリアに引っ張られながら鍛冶屋を後にする。


「家に行く前に買い物いこー!何食べたいー?」

「料理作れるの?」

「ふふふ、食べてみてからのお楽しみ!」

「期待しよう!」


 あれ、女の人の手料理なんて初めて食べるな。リア充じゃん俺。転生最高やん!



続く


 

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異世界で本気で妥協せず自由に冒険者ライフ! 〜いずれ最強になってみたい〜 佐久間 @sakuma_origin

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