第24話

 千代田区を占拠している魔物たちが持っている強さは他のダンジョンよりあふれ出している魔物たちと比べるとその強さは群を抜いている。

 正真正銘、本当のイレギュラー。

 今のご主人たちが勝てる相手ではない。


「さてはて、僕がちゃんと強いってことをみんなに見せてあげないとね」

 

「……さ、三人で行くの?流石に三人で行くのは」


「そうよ。私たちは既に公的なバックアップを受けられる立場……こんなところでリスクを不用意に負う必要はないわ」

 

 カメラを回し、生放送する最中。

 たった三人で千代田区へと入ろうとする僕


「千代田区の解放はサクッと僕がしちゃうつもりだから気にしなくていいよ……言っておくけど。僕はそこらにいる魔物とは一線を画す特別な魔物だってことを分かって欲しいよね。最下層に住まう怪物たちにただの有象無象が叶うわけがないのです!」

 

 僕はカメラを持っているご主人たちの方に視線を向け、笑みを浮かべる。


「二人は安心してついてきて、ちゃんと僕が勝たせてあげるから」


「……まぁ、イムちゃんがそう言うのであれば」

 

 僕の言葉にご主人は頷いてくる……良し。


「んじゃ、早速行こか」

 

 僕は境界線を越え、数多の魔物が蠢く千代田区の中へと入る。


「ガァァァァァァァァァァッ!」


「グルァッ!!!」


「ウォーーーンッ!」

 

 僕が千代田区に入った瞬間自分の元に襲い掛かってくる大量の魔物たち。


「ほい」

 

 僕は腕を横に一振り。

 それだけで僕たちの方へと襲い掛かってきた魔物たちが一瞬にして消滅する。


「もう千代田区では誰も生きていないけど……一応全部の魔物を倒しておくか。遺体も残っていたら回収した方が良いよね?」

 

 僕はその場で口から大量のスライムを吐きだす。

 それらのスライムは小さく分解し、何百と言う数となって千代田区全体にと広がっていく。


「これで良いでしょう。地上は僕の分身体に任せてこのままダンジョンを攻略しちゃおうか……さぁ、行くよ?二人とも」


「え……あっ、うん」


「そ、そうねー」


 僕は未だに千代田区内に入っていない二人へと声をかけ、先へと進んでいった。

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