飛べないあいつと飛べる僕
皐月風
第1話 出会い
僕の名は素良(そら)学生、魔法使い
今、え?って、思ったでしょ………だよね
でもね、これ、ホントの話(笑)
だって、家業が、八百屋さん、とか、果物屋さんとか、あるでしょ
まあ、僕の家は、普通のサラリーマン家庭だけどね、兄弟は、兄の陸(りく)妹の宇美(うみ)の3人
兄さんは、都会の大学で、一人暮らし、妹は、中学生……。
全くの普通だけど、僕は6歳の6月6日に、飛んだ
変な意味じゃなく、勝手に身体が、浮いたんだ
知ってるのは、じいちゃんだけ、
凄く喜んでくれて、僕に内緒の話を、おしえてくれた
じいちゃんは、花や作物を、凄く上手に育てるのは、近所で有名で、よく相談にも、乗ってあげてた。すごいなぁーって、思ってたけど……
ある日気ずいんたんだ、じいちゃんは、花や、草や、虫や、鳥と、話せるんだと、その時は、僕も、小さかったから、みんな、普通だと思ってた
僕の体が、浮き上がった時も、誰も驚かないと思った。でも、じいちゃんに、皆に、知られないようにするんだよって、言われた時
ナーンとなく、これは、普通じゃないんだって………
元々、我が家は、魔法使いの家系だったらしいけど、何代も、続くと力が、無くなるらしい
現に、僕には、花の声?鳥の声?ナーンも分からない
アニメを、見た時ビックリした。魔女って箒(ほうき)で、空を飛ぶんだって………??
話を、元に戻すと、じいちゃんは、まだ、魔法の力が、あって、色んなものが、見えたり聞こえたり出来る。だから、僕に、期待してくれて、少し力を、引き出すためにも、勉強会への参加を、進めてくれた
特別な紙に、特別な文字を、書いて、綺麗な鳥に、頼んで、くれた
魔法学校なんて、憧れるけど、そんなものは、なく、夜不定期に、場所指定で、連絡かくる
それは、雷の音に、紛れたり、雲の形に、現れたり、花びらの模様だったり、変わるけど、僕だけに分かるように、伝えられる
そんな時は、僕は、自室の窓から、きずかれないように、こっそり、部屋を抜け出す
簡単なことなんだけど、ゆっくりと浮いて窓を開けると、後は風に、身をまかす
何がビビるって、満月とか、時々人って、月を、眺めたりするから、見つけられないように服は、普通に、黒一択………!!
見つからないように、飛ぶのは、スリル満点だ
だから、普段の僕は、目立たないように、おとなしく、学校生活してる。頭の良い兄と、上品で優雅な妹と、平凡な僕
最高に上手くいくはずだった、あの日までは……………。
そう、転校生のアイツがくるまでは………
「あー、今日から、みんなの仲間が、一人増えることに、なった」担任が、言うと、入って来たのは、超イケメンで、柔らかい笑顔を振りまきながら、みんなの注目の中、爽やかに、アイツが来た。
「こんにちわ、皆さん、よろしく
高山優真(ゆうま)です」
何と、その時、運悪く僕の隣が、空席だった。
ガックシだ、皆の視線に、僕が入る
「高木、色々教えてやってくれ」
担任のパンチの効いたセリフ付き
「あっ、はい」
僕には、この言葉一択しかない。今思えば、あの挨拶後、一瞬クラス全員を、誰かがサーチライトの様に、サーと、何かが触れた感覚がした。
「よろしく、高木くん」
そう言うと、席に着いた、教室は、少しザワついたけど、すぐ授業が始まったので、いつもの落ち着きを取り戻した
ところがだ、給食をサッと食べ終えて、僕はいつもの図書館で一人、ひっそりと、本の世界にダイブするはずが………,
「高木くん、校内案内してくれない?」僕が席を立った瞬間、腕をつかんで、そう言った
また、また、クラスの視線が、僕に集まる、唯一の楽しみの本の世界が、遠のいた
「ああ、いいよ、食べ終わるの待つよ」
「食べ終えたから、行こうか?」
僕と同じスピードで、食べ終えたアイツに、ムカつきながら、表情には、出さず、早く腕の手を離せと、目配せした。
(普通、どこの高校も、同じだろうし、違う教室使う場合は、みんなで移動するんだから、校内案内の必要が、あんのか?)にらみ倒したかったが、イケメンの転校生に、興味津々の、奴らが今、周りに居る限り、僕は作り笑顔で、アイツを教室から、引きずり出した。いや、アイツに、引っ張られて、教室から出た。
出るなり、ずいずいと、ひきづられるみたいに音楽室へ。
(なんだよ、普通に、音楽室、知ってるし、まだ腕つかまれてるし、ここ、防音だし、ヤバくねぇ)
「音楽室とか、知ってたら、僕要らなくない?」
「人に聞かれたら、まずいだろ、お前が、魔法使いだって」
「へっ?ひっ?何??今なんて?」
「同類相哀れむ、って解る?俺もおなじくだから」
「いやいやいや、なんかSF好き?勘違い?冗談?」
(おいおい、なんなんだ、カミングアウトしつつ、僕おどされてる?)
「俺はさぁ、人の心の中見えるんだよ、でも、お前、心には、ロックがかかってる。普通の人間に、そんな奴いないから」
(やっぱり、あの挨拶の時か、サーチみたくクラス中の心の中、覗いたんだ)
「僕が、その、その、君が言うものだとしても、別になんの問題もないだろ」
「動揺しながら、必死過ぎないか?ただの俺の好奇心と、魔法使った時のカモフラージュよろしく!」
(ゲッ、こいつ、何言ってるんだ?駄目だろ、普通に使ったら、ウザー)
「なんか、誤解あると、思うんだけど、僕は使えないから」
「えっ?使えない?なんで?」
「残念でした、なので、この話は、終わり、音楽室分かるんだから、他もわかるだろうから、腕つかむの離してもらおうか?目立つイケメンくん」
「なるほどねぇ、でも、協力は、して貰う。音楽室に、ベートーベンの石膏二体は、ヘンだろ」
この時から、僕の平凡な、高校生活が、もろくも崩れだした
(マジ?こいつは、魔法が使えて、人を何でも変えれるって?おいおい、サイアクじゃん)
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