第299話 これだけご奉仕されて平気なの?(陽菜視点)

 恭介くんがみおを連れて帰ると連絡してきたのでお母さんと一緒に準備していた冷やし中華の麺を一玉多く湯がいて、4人で夕食を食べる。

 みおちゃんはいつもはウーバーイーツだったり外食だったりするようなので、うちの料理が口に合うのかと心配になっちゃうけど凄く喜んでくれる。


「陽菜ちゃんちのご飯は食卓でみんなで食べるのも楽しいし、配達して貰う料理よりもずっと美味しいから」

「あら、みおちゃん嬉しいこと言ってくれるわね。うちのになっちゃう?」

「お母さんは適当なことを言わないの」

 私が注意をするけど次のお母さんの言葉でやり込められてしまう。


「恭介くんと陽菜ちゃんが結婚して、みんなも一緒に住むならみおちゃんも私の娘みたいなものでしょ?」

 う~ん、みおちゃんも私も真っ赤になっちゃったのでこれはお母さんが正しいのかな?

 みんなで恭介くんと一緒に暮らして幸せになるならそこには多分お母さんもいるだろうから。

 親子丼は絶対阻止するけどね。お父さんが悲しむから。



「それでゆうきと村上でアイドルデュオを作ろうって話をしているんです」

 恭介くんがお母さんに今回の旅行で録った映像で2人のPVプロモーションビデオを作った話をしている。

 実際にできたPVを見せてもらったけど凄く可愛かった。本当にあの2人ならアイドルになれるかもって思うし、そっくりなのに男の子と女の子だから男女どっちからも人気が出そうだから凄いことになるんじゃないかと思う。


「恭っちがυ'sユーズって名前を考えたんですけど、あーしは自分が考えたツインドルとかの方がいいんじゃないかと思うですけどね。さちえさんはどう思います?」

 みおちゃんのアイディアを聞きながらお母さんも恭介くんのアイディアに賛成みたい。

 みおちゃんってネーミングセンスはないんだ。いつもセンスの塊みたいなみおちゃんにも意外な弱点があるんだね。




 ご飯を食べ終わって恭介くんがお風呂に入って準備して私の部屋をノックする。

 返事をして入って貰うけど久しぶりにみおちゃんと一緒だからいつも以上にドキドキしてしまう。今日の私とみおちゃんの格好は旅行に行っていた時の水着姿だ。私は白くて背中の開いたモノキニビキニ、みおちゃんはアメリカの国旗を模したバンドゥ・ビキニだ。


 みおちゃんが家を出るときにこっそり荷物に詰めて水着を持って来ていたので2人で水着にしてみちゃった。お部屋で着るのはちょっと恥ずかしいけどね。


「ふわぁっ! 水着の陽菜もみおもめちゃくちゃエッチだよ。あの旅行の時も2人にめちゃくちゃ興奮してたから。それにしても陽菜の水着の背中もみおの水着の下乳もエッチすぎて絶対他の男に見せたくないな」

 部屋に入って来た恭介くんが変な歓声を上げてる。だけど褒めてくれるれるのは素直に嬉しい。

「恭っちって本当に独占欲が強いよね。やっぱり貞操逆転世界の男子だから?」

「でも私たち恭介くんに独占されるのは嬉しいからイイんだけどね」


 その後は3人でいっぱいエッチした。みおちゃんと一緒だと今まで知らなかった自分の感じるところをいっぱい弄られたりしちゃうから怖くなっちゃうくらい。

 お返しに恭介くんがみおちゃんの手を摑まえて押さえ込んで2人がかりでみおちゃんを責めたときは声がおっきすぎたから、みおちゃんの部屋から持ってきた穴の開いたゴルフボールみたいなのを咥えてもらった。


「陽菜ちゃん……ギャグボールは本気ガチでSMだから……むぐッ……」

 何か言ってるけど聞こえない。ムームー言ってるから抗議してるんだろうけど恭介くんと2人で右と左のおっぱいをそれぞれにいっぱい吸ってる私たちから見たらみおちゃんの反応は可愛いだけだった。

 いつも強気なみおちゃんだから恭介くんに褒められると真っ赤になっちゃうのが本当に可愛いよね。


 その後は2人とも3回ずつ愛して貰ってトロトロにされちゃった。

 私の水着は白いからあんまり目立たないけどみおちゃんのアメリカ国旗のエッチな水着は恭介くんにいっぱいドロドロにされちゃったから染みにならないか心配だなぁ。


 夜遅くなったけど寝る前に3人でシャワーを浴びながらもう一回いちゃいちゃした。お母さんが寝てる間しかお風呂場は使えないもんね。

「お風呂場にコンドームを持ち込むとすごく悪いことをしている気がしちゃうね」

 使い終わったコンドームの口を縛ってる恭介くんを見ながら思ったことを言う。


「場所が違うとそれだけで興奮しちゃうもんな。その上水着姿の陽菜とみおだし……みお、こっちに来て。きれいに洗い流してあげるから」

 恭介くんが優しくみおちゃんと私を水着ごとシャワーをかけて綺麗にしてくれた後で全部脱がされてしっかり洗われた。


 最後にバスタオルで全身拭かれてパジャマを着せてもらったんだけど、みおちゃんがしゃがみ込んでメイクまで落とされてすっぴんになった顔を覆っていた。

「なんで陽菜ちゃんは恭介にこれだけご奉仕されて平気なの?

 全身ピカピカに洗われて体を拭かれてきれいにメイクも落としてもらってパジャマを着せられるとかある意味セックスより恥ずかしいんだけど……今までの男にこんなことされたりしなかったし、陽菜ちゃんが過ぎて引く。もう私も他の男じゃ絶対満足できない」

 小学生の頃からやっていたことを今さら上級者って言われてもなぁ。でも、みおちゃんも恭介くんにお世話されるのが大好きって分かってちょっと嬉しかった。





 翌日はみおちゃんの夏休みの宿題の手伝い。私と恭介くんは2人でコツコツ課題を終わらせているけどみおちゃんはほとんど手付かずだったから恭介くんが持って来させた。

 恭介くんはまるちゃんを連れて小烏こがらす道場に稽古に行ったのでみおちゃんと2人で課題に取り組んでいる。私は自分の参考書を開いて勉強中。


「みおちゃんは高校卒業したらメイクアップアーティストになるためにどうするつもりなの?」

「ん~、今は専門学校に通おうと思っているけどね。やっぱり基礎をしっかりしておかないとあーし流だけだと分からないこととかあるし」


「恭介くんとひよりちゃんとまるちゃんは隣の県の大学に剣道の推薦で行こうと思ってて、私は恭介君たちの大学の近くにある県立大学の家政科に通おうと思ってるの。

 ……しずくちゃんがどうするかはこれからだけど恭介くんの通うつもりの国立大学に医学部もあるし」


「ん、あーしだけ別になったら寂しそうだなぁ。そっちでメイクの学校を探すかなぁ。

 それにその条件なら一軒まるまる家を購入してみんなで住んでそこに配信部屋作っちゃえばいいか。ひよりっちについては家を出ちゃって道場実家は問題ないの?」


「ああ、ひよりちゃんのお父さんは一度は広い世界で剣道を学ぶべきって言ってくれてるから大学に行くこと自体は賛成してくれてるみたいだよ。実際お父さんとひよりちゃんのお母さんが出会ったのも大学剣道の頃らしいし」


「ひよりっちのお父さん、娘を送り出すのはいいけど変な虫がついたら怒りそうだね。自分より強い男にしか結婚させんとか言いだしたりして」

 恭介くんならひよりちゃんのために誰よりも強くなっちゃいそうだけど。


「しずくに関しては琴乃のばーちゃんの説得だね。あーしはちょっと苦手だから何もできないけど……」

「うん、恭介くんと一緒に夏休み中お話しに行こうと思ってるの」


「でも、しずくなら自分で説得するかもしれないよ。あの子って今までは自分がやりたいことがなかったから結構流されて生きてきてるの。好きでやってたのは趣味の同人活動くらいかな。

 もちろん優等生だし、すごく頭がいいからリーダーシップをとったりみんなのためにいろんなことをするのは好きだったみたいだけどそれもみんなに期待されてるから流されて……みたいなところがあったんだよね」


「あ、それ分かる。ちょっと恭介くんと似てるところがあるよね。いろんなことが出来るけど自分からやりたいんじゃなくて他の人に期待されてるからやっちゃうみたいなところ」


「そうそう。でもね、今回はしずくが自分から将来こうなりたいって決めたことなんだ。

 陽菜ちゃんの主治医になるために医学部に進むっていうのは、しずくが初めて自分の意志で決めたことだから。その夢のための説得をあのしずくが自分でやりきらないなんてことは多分ないよ。

 だってしずくだもん。あーしの幼稚園の時からの親友で最高の女の子だから」


 みおちゃんがしずくちゃんのことをどう思っているかって初めて聞いた気がする。そうだよね、2人は親友だもんね。

 素敵な幼馴染がいることをちょっとうらやましく思っちゃったけど、実際は私が恭介くんと幼馴染で一番恵まれてるってみんなに思われてるんだよね。


 羨ましいなんて言ったらお前が言うなって言われちゃうよ。

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 ちょっとした小話


エッチして疲れた恭介くんが寝てしまった私の部屋で両側から恭介くんに抱きつきながら話をする。

「陽菜ちゃんって恭介と幼稚園の頃から幼馴染だったんだよね? その頃の恭介ってどんな子供だったの?」

メイクを落とすとなぜか普通の話し言葉になるみおちゃんが可愛い。

「う~ん、ちっちゃくて可愛かったよ。って言っても私の方がもっと小さかったけど。いつも私のお世話をしてくててその頃の私は本当に体力とかなかったから、お着替えから粘土の準備とかまで全部やってくれてたの」

「うわぁ……恭介の世話焼きって本当に筋金入りなんだね。なんでそんなに世話を焼いてくれてたの?」

「元々はうちのお母さんと恭介くんのお母さんの日奈子さんが昔から友達で、うちのお母さんが恭介くんに『陽菜ちゃんのことをお願いね』って頼んじゃったのがきっかけらしいのね」

「で、バカ真面目な恭介が真に受けちゃったと」

「えっと、そういう事なんだけど海で聞いたんだけど、恭介くんは私が凄く可愛かったから守りたかったんだって……」

「はいはい、のろけのろけ。でもアルバムとか見せてもらった時思ったけど小さい頃の陽菜ちゃんってめちゃくちゃ可愛いよね」

「えへへ、そうかな」

「そこで否定しないところが本当に小さい頃から恭介に愛されてきたんだなぁって思うよ。

 こういう関係になれなかったら陽菜ちゃんに対して本当にズルいって思いながら引きずってたんだろうね。本当に2人でこっちの世界に来てくれて私たちまで一緒にいさせてくれてありがとうね」

「こっちこそ、私たちを受け入れてくれて一緒にいてくれてありがとう。みおちゃん大好きだよ」

「本当に陽菜ちゃんには敵わないなぁ……それじゃあおやすみ陽菜ちゃん」

「うん、おやすみなさい。みおちゃん」


 という会話ピロートークがあったとかなかったとか。


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 次回更新は10月5日です。

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