第184話 恭介くんバーテンダーさんみたい
キィィィィッ!
陽菜の家の前で委員長から借りた自転車を止めてさちえさんから目的のものを受け取る。
「雨の中お疲れさま恭ちゃん。この袋の中に頼まれたもの準備しておいたわ」
「ありがとうございます。あのレシピって完成度何パーセントくらいなんですか?」
「う~ん、パパの分から比べたら90%くらいかしら。恭ちゃんがゴックンさせてくれるなら「恭ちゃんブレンド」で新しい配合を作ってあげるけど」
「謹んで遠慮させていただきます」
本当に助かるけどこういう冗談はやめて欲しい。元の世界でのこととはいえさちえさんで夢精して精通しちゃった黒歴史が疼くから。
見れば見るほど美人で大人の色気があって、陽菜をそのまま色っぽく大人にした感じでこの人はストライクゾーンにバッチリ入っちゃってるのだ。
委員長たちのせいで放課後ずっとムラムラしっぱなしの下半身によろしくない。
今も半勃ちだし、もうパンツはとろっとろになったのが乾いてかぴっかぴになっちゃってるし。
「でも、恭ちゃんの役に立ててうれしいわ。私で役に立つことがあったらいつでも言ってね」
う~ん、調子に乗るかと思っていたら思いもかけず謙虚でなんか罪悪感まで感じてしまう。
「ありがとうございます。さちえさんも俺で役に立つことがあれば何でも言ってください」
預かった品をカバンに入れて借りているママチャリにまたがる。
「じゃあ、陽菜と一緒にもう少ししたら帰りますから」
「もし恭ちゃんの分を混ぜてブレンドしたら絶対私の分もお土産準備してね~」
ブンブン手を振って見送られるが誰が俺の分をブレンドするか……やっぱりあの人は痴女だ! 痴女認定だ! ブラックリストを外してあげようかなんて甘かった。
自転車で岩清水家に戻るとキッチンで三人が待っていた。頼んでいた通りのものを買ってくれていたので早速クッキングの時間だ。
買ってきて貰ったグレープフルーツジュース130㏄に、クリームチーズ70gを加えてミキサーで撹拌。コップに移して泡がある程度収まってきたところでさちえさんから借りてきた「栗の花のハチミツ」大さじ一杯、にがりを小さじ一杯加えて適度にマドラーで混ぜる。
俺が手際よくかき混ぜていると陽菜が「恭介くんバーテンダーさんみたいでカッコいい」と褒めてくれるが、疑似精液を作るバーテンダーなんて死んでもなりなくない。バーテンダーとしてこれを作らされるくらいなら死を選ぶ。
そう、俺は今さちえさん考案の「疑似精液レシピ」に従ってコップ一杯の偽物精液を作っていたのだ。
リアルにドロッとしていて黄色みがかってねばついていて質感は俺も見慣れた精液そのもの。
さらに「栗の花のハチミツ」が加わったことでかき混ぜているコップから漂ってくる臭いが完全に栗の花っぽいあの臭いで作っていてかなりきついものがある。
クンクン臭いを嗅いでいた陽菜がハッとした表情になって顔を輝かせて、次の瞬間真っ赤になった。
分かるぞ、この臭い嗅いだことある→分かった! 腋毛を剃った時にお風呂場で嗅いだ臭いだ!→え!? 恭介くんお風呂で射精していたの? という思考をたどったんだよね。
申し訳ない。陽菜の家のお風呂場で二回も射精したから臭いが残っていたよね。
完成!
サチエもんの力を借りて疑似精液がここに爆誕したのであった。200㏄ってどう考えても作り過ぎだよ俺!
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実際に作ってマズくても作者は責任を取りません。
※この物語はフィクションです。ローションの話をしててもフィクションです。
7/15,16は1日5話特別公開
6,9,12,15,18時の1日5話更新となります
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