第182話 男子がドン引きするだけ
「精液って苦くてまずいの? 恭介さん飲んだことあるの?」
「そこの所詳しく。精液の味知りたい。ほとんどのマンガでは甘くて美味しいって書いてある」
委員長と芥川がめちゃくちゃ食いついてくる。
貞操逆転世界の女子だもんな。男子の方が精液の味とか言っちゃったら興奮するに決まっちゃってる。
いつもは落ち着てる委員長も日頃は無表情の芥川も興奮した顔で俺につめ寄ってきている。
ちょっと貞操の危険を感じるレベル。体力的にはこの二人に取り押さえられることはないと思うけど。
赤い顔をした委員長が俺のアソコをちらっと見て言う。
「恭介さん、今興奮して大きくしちゃってるんだよね。
持続勃起症の治療、私が手伝ってあげようか? 陽菜ちゃんから聞いたよ。恋人じゃない陽菜ちゃんに手伝ってもらってるんでしょ? だったら今日は私が手伝ってあげる」
「きょうすけ、私は出した精液をくれるだけでいい。自分で勝手に飲んで味見するだけ。迷惑はかけない」
どうすればいいのこれ? って言うか陽菜は何をしゃべっちゃったの? そういえば委員長に持続勃起症の話で
電話で話せる話じゃないと思っていたから委員長と二人になった時にと考えていてそのまま訂正するチャンスがなかったから。完全に俺のミスだ。
助けを求めようと思って陽菜を見るとアワアワしている。今日は陽菜には助けて貰えないのか?
二人がにじり寄るように近づいてくる。二人ともおっぱいが大きいからすごい迫力。
どんどん追い立てられて背中がドンッと何かにぶつかる。ベッドだし……。
ベッドの上に逃げたら完全にまな板の上の鯉になっちゃう。
覚悟を決めた俺は……
ビシッ!
ビシッ!
委員長と芥川にデコピンを食らわせて黙らせる。額を押さえてる二人をもう一度正座させる。
今ほどさんご先輩謹製のハリセンが欲しいと思ったことはない。藤岡相手ならアイアンクローでも何でもするけど流石に大恩ある委員長にそんなことはできないし。
「落ち着けしずく、それに芥川。男子にそんなことをお願いしたら男子がドン引きするだけだって頭のいいお前たちなら分かってるだろ。冷静になれ」
まあ、俺とか元の世界の健全な男子だとしずくとか芥川みたいな可愛い女の子に精液くれって言われたら1リットルでも出しちゃいそうだけど。
しかし精液の味か、創作物へのこだわりは俺だって写真を撮るようになってから色々考えているから分からないわけじゃない。
しかし、俺には好きな子がいるわけで他の女の子に精液をあげるわけにもいかない。陽菜をじっと見つめる。
すると陽菜はアワアワして真っ赤になってしまった。
いや、精液を出さないし陽菜に手伝わせもしないから。
仕方ない、困った時に頼ると絶対調子に乗るからイヤなんだけどこの状況をどうにかできる可能性がある人を一人しか知らない。
さちえさんに電話をかける。
プルルルルッ、ガチャ!
「恭ちゃん、どうかしたの? 陽菜ちゃんに何かあった?」
「さちえさん、精液の味を教えてください」
助けてサチエも~ん。
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※サポーター様に連絡です。ヒナアフター②を近況ノート(サポーター限定)にアップしております。
よろしければご覧ください。
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