第64話 イケイケの時代を知らなかったんだね
どうにか席について皆でお弁当や菓子パンなどを思い思いに広げる。
ちなみに席順は机を横長に三つ並べてその二列を向き合わせてくっつける形で
岩清水
陽菜 俺 ゆうき 丸川
という順になっている。ゆうきは持ってきたイスで俺と丸川の間に座った。
で、今俺の目の前に並んでいるものはお弁当箱(大)×2 陽菜+
ちなみにグ〇コのおまけは「ダブったんだよ。これは回してもバターにならないからいらないんだよ」と言いながら丸川がくれた。
回すと二頭のトラが追いかけ合う模様のコマを見ながら、この世界のち〇くろ〇ンボは発禁になっていないんだろうかとどうでもいいことを思い浮かべた。
「流石にこれは多々良くんも一人で食べるのは大変なんじゃない?」
岩清水が確認してくる。確かに今は筋トレもしてるし、体重を増やす時期だから多少食べても最悪の事態は起こらない気がするが、やっぱり栄養や量には気を使いたい。
「そ、そうだよね……昨日食べてくれたから今日はお母さんが作ってくれちゃって……」
言いながら陽菜が大きなお弁当箱を開くとご飯の上に桜でんぶで思いっきり大きくハートマークが作られていた。慌てて蓋でご飯を隠し
「お、お母さんったらお父さんのお弁当箱と間違えちゃったのかな……(お母さんのバカ、絶対わざとだよね)ボソッ」と言っていた。
後半は小声だったのでよく聞こえなかった。
「ああ、美味しそうじゃん。さちえさんは料理上手だから嬉しいよ。気にしないで姫川さん、大丈夫だから」
と俺が微笑みかけると、陽菜はえへへとお弁当を差し出してきた。
「ん……さっきも挨拶とか言っていたが多々良は姫川の家の母親と仲が良いのか?」
「ああ、家が近所で家族ぐるみの付き合いをしていたから」
途中でおちんちんの写真を撮られた多々良恭介が泣いて帰って、姫川家に出入りしなくなるまでの間だけどな。
「そうか、多々良と姫川が一緒にいるところなんてみたことなかったから親しいとは思わなかったぞ。意外なつながりがあるものなのだな」
「ああ、そうか、
と岩清水が新たなパワーワードを投下した。
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