第一部 五章 一歩進展? 三歩すれ違い!?
第61話 ひょっとして取り込み中だった?
午前中の授業が終わり、俺はテストに向けて確実な手ごたえを感じていた
実際、元の世界では俺の順位は1年生の間で1桁から10番台だった。あれ?……意外に思ってる人がいるようだが実際俺は成績は悪くないのだ。素数に1を入れたり、ケアレスミスをすることはあるけどな。
中学生の頃にヒナに距離を置かれるようになっても、必ずヒナと同じ高校に入れるようにヒナより上の点が取れるようにと全力で勉強にも取り組んでいたら成績が上がった。
結局ヒナに合わせてランクを1つ落としてこの学校を受験したのだ。中学の先生にはもう1ランク、頑張れば2ランク上を目指せるのにもったないと言われても志望校はヒナと一緒のこの高校だった。
高校に入ってからも自分が優等生ならヒナを守る時に少しは発言権を得られると思って頑張った。
6月以降はヒナと付き合ったせいで成績が下がったと言われてヒナに批判が向かわないように成績を落とすわけにはいかなかった。
というわけでずっと頑張っていたので、テストの成績に関してはあんまり不安はない。
こっちの世界の自分の部屋に入った時(そういえばあの部屋の多々良恭介の撮った中にゆうきの写真とかあるのか確認しないと)自分の成績が低くて愕然としたものだった。
だから今回のテスト、授業を受けられなかった分成績は下がるが前の多々良恭介よりはいい点が取れると思うのであんまり心配していないのだ。
読者が俺のことをストーカーと思ったり、重すぎると思っている気がするが陽菜のためならそのぐらいは楽勝だったから、俺は自分のことを
キーンコーンカーンコーン
昼休みに入り、皆がざわざわし始めた。今日こそゆうきを誘って学食でも行こうかなと思ったら
「弁当を作って来たのだが一緒に食べないか、多々良……いや旦那様」
「ちょっと待って……いや弁当は嬉しいが旦那様は違うだろ。俺昨日の朝きちんと断ったよな?」
「まあいいじゃないか。まずは一緒に食事を食べてその後入浴して、その後満を持して私の出番なのだろう?」
「隣のクラスの姫川と一緒に食べていたんだから他人の手作り弁当がイヤというわけではないのだろう?」
「さっきも言ったが弁当は嬉しいよ、ありがとう。それじゃあ……」返事をしようとすると
「きょーちん今日もエロ師匠が来てるよ~」
アホの子の丸川が教室の入り口から俺に向かって声をかけた。その隣には陽菜がいて……まるに「
「ああ、姫川さん……今日も来てくれたのか?」
「う、うん……お母さんが多々良くんの分もお弁当持って行けって。ひょっとして取り込み中だった?」
真っ赤な顔をした陽菜から弁当を渡される。丸川からエロ師匠とからかわれたから恥ずかしかったか?
取り込み中というよりは今陽菜が来たことで目の前にお弁当が二つで下手したら修羅場突入です。
すると……委員長が助け舟を出してくれた。
「アハハ……多々良くん大変そうだね。実は私もお弁当を余分に作っちゃったから食べて貰いたくて。
こうなったら私達の皆とエロし……陽菜ちゃんもみんなで一緒に多々良くんと食べない?」
結果、机をくっつけて皆でご飯を食べることになった。
「あ、多々良くん、お母さんからお弁当袋の中にお手紙入れたから読んでお返事頂戴って言われてるの。
QOL向上がどうこう言っていたけど……先に見て貰っていい?」
陽菜が言うので弁当袋の中に入っていた封書を手に取る。やけに厳重にのり付けされて封蝋(っていうのかロウで封印されていた)まで付いていた。
机にあったハサミで封筒をチョキチョキして中の便箋を取り出して一瞥して俺は頭を抱えた。
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本日1日3話公開+α
さちえさん(ヒナママ)からの手紙を62話にて公開中。61話と同時刻に公開されていますので63話を読む前に忘れずにお読みください。
抜けるとストーリーが理解しにくくなります。
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