詩 枯れ尽きた世界じゃ祈りは届かない
仲仁へび(旧:離久)
第1話
世界に雨をもたらすために
緑をこの世界によみがえらせるために
そのために茨姫は雨を望んで祈りを捧げる
世界に潤いをもたらす
土地に水の恵みを
枯れたままの世界では人が生きられないから
枯れたままの世界では幸せになれないから
数多の生命たちのために
人々を笑顔にするために
茨姫は祈りを捧げ続ける
けれども祈りは届かない
どこにも祈りは届かない
枯れた世界は枯れたまま
飢えた命は飢えたまま
人々は だんだんと余裕をなくし
小さな手のひらから優しさをこぼれ落としていく
少ない水を分け合っていたコップを割って
その破片で人を傷つけていく
奪い合い 憎しみあう世界
緩やかに進んでいた飢えはある日から急激に進行していき
やがて後戻りを許さない地点まで向かっていく
その歩みは もう誰も止める事ができない
詩 枯れ尽きた世界じゃ祈りは届かない 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます