リアル異世界乙女ゲーム:バッドエンドは許しません!
@moringa
第1話 ユミコの平凡な日常
冴えない女子高校生の吉田ユミコは平凡な日常に苦悩していた。
しかし、彼女の日々にはひとつだけ楽しみがあった。
それは、童話の世界をテーマにした乙女ゲームだった。
子供のころから、お姫様にあこがれ、いつか素敵な王子様が迎えに来ることを夢見ていたユミコは、最近は強い女性、戦う女性、男性に依存しない女性がもてはやされる風潮にいごごちの悪さを感じていたが、このゲームでは古き良き童話の世界観が思う存分味わえるので、何度も繰り返しプレイしては楽しんでいた。
中学生のころ、ファンタジー小説ばかり、読んでいたところ、"そんな夢みたいなこといってないで" と家族からは呆れられていたのがショックで、ひそかにプレイしていた。
そのゲームはマルチバージョン形式で発売されており、一つはDawn of Lightといって、主人公サイドの王子・ヒーロー感あふれる登場人物との恋愛が約束されている。ユミコが今までやりこんでいたのはこちらのバージョンで、毎晩寝る前に必ずプレイするのが日課となっていた。
一方で、Eclipse of Shadowは悪役サイドの登場人物との恋愛ゲームだ。こちらはいわゆるメリーバッドエンド、一見するとバッドエンドだが、独特の魅力ある終わり方こちらばかりで、根強いファンが多いらしい。
ユミコはバッドエンドは苦手なのでEclipse of Shadowはさらりとプレイしただけで、放置していた。
「う~ん。でもな、Dawn of Lightはもうやりこみすぎて、ほぼ覚えちゃってるし・・。なんか面白いゲームないかな。」
そうつぶやきつつ、ユミコは眠りについたのだった。
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