両親

私の名前は都築美都(つづきみつ)です。

年齢は18歳です。


私は3人兄妹の上から2番目です。

姉がひとりと弟がひとりです。


姉の翔子とは4歳離れていて、弟の真一とも5歳離れていました。

一人っ子が3人いるような兄妹でした。


私の母さゆりは18歳の時、私の父悟と出逢いました。

母は18歳にしてはとても幼く見えました。


母はとても小柄で痩せた可愛い顔立ちをした女性でした。

母はその当時喫茶店でウェイトレスの仕事をしていました。


その時のお客さんとして父が良くお店に出入りしていたのです。

母は父から声を掛けられた様でした。


「今度、お茶でも一緒にどう?もしくは食事でもどう?」

それを聞いた時、母は非常に驚いたようですが、内心嬉しかったようでした。


そこで二人は恋に落ちました。


父はとてもハンサムな人でした。

背格好はとても小柄でしたが着るものがとてもおしゃれでした。


父の仕事は普通の会社員でした。

私の父はとても真面目な人だったのです。


二人はデートを楽しみました。

一緒に映画館で映画を観たり、父の運転する車でドライブをしたりしました。


当時流行っていた太陽族などにも影響を受けていました。


そんな二人が付き合い始めて1年経った頃でした。

母は最近生理が来ないことに気が付きました。


母はとても不安を感じた様でした。

暫くは、そのままにしておいたのですが、やはり気になり産婦人科へと行ったのです。


産婦人科に行って検査を受けました。

母は妊娠していることが分かりました。


母はそのことを知ると父に話してよいかどうか悩みました。

ひとりで暫く悩んだのです。


でも、不安は募るばかりでした。

とうとう母は父に子供ができたことを話しました。


「私、赤ちゃんができたみたい」

「え?赤ちゃん?本当に?」


「ええ、今日また病院に行ってきたから間違いないと思うわ」

「そうか…」


そう言うと父は黙ってしまいました。


二人はその赤ちゃんを産むかどうか悩んでいました。

悩んでいる間でもお腹の赤ちゃんは成長していきます。


そんな悩んでいる頃でした。


母は姉を妊娠してから何度か婦人科に通っていました。

その時に看護師からこう言われたのです。


「さゆりさん、初めての子供さんですよね?」


「はい、そうです」


「初めての妊娠でおろしてしまうとその後、赤ちゃんはできなくなる可能性が大きいです。できれば、産んであげてください」


「は、はい。彼と相談してみます」

そう、母は言うと黙ってしまいました。


母は悩んだそうです。

そして父に看護師から聞いた話をしました。


「赤ちゃんはおろさない方がいいって言われたわ。私産みたいの」


「そうか。せっかく授かった命だから一緒に育てていこうか」

「うん、私もそうしたいわ」


そんな会話があり、父と母は今でいう「授かり婚」で入籍し結婚したのです。


父21歳、母は19歳の時でした。


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