海とくじら

白狐

第1話  僕と??の出会い

僕には友達がいない。

いるとすればネズミくらいだ。

ここはどこなのか知らず、目的も持たぬままただ歩き続ける人生。

「はぁ はぁ」息が上がる。

そろそろ休憩しよう。

僕は木にもたれかかって座る。家もなく、親もいない。明日生きているのかもわからない。そんな人生…。そんなことを考えているうちに僕は眠りについた。


               ゴロゴロ


雷の音で僕は目が覚めた。 やばい嵐が来る。逃げないと…

ボロボロの服だし半袖みたいになっているから濡れて風邪をひくと死んでしまうかもしれない。いそいで足を動かした。嵐に追いつかれないように自然と追いかけっこをした。目の前には港があって、広い海があった。

(あれ?ここ見たことがあるような…。まぁ、昔きたとかなんかだろ行き当たりばったりで歩いているから同じ場所に着くことなんてしょっちゅうだし…。)

ちょうどバス停があったのでそこで今日は過ごすことにした。疲れていたので僕は座るとすぐに眠りについてしまった。


はっと起きるともう日が沈みかけていた。お腹が空いた。

雨が止んでいたので海で何か食べ物を探すことにした。火を起こすことには慣れているし、焼き魚でも食べよう。 そう思って日が沈む前に海へ行くことにした。

近くで少し長めの枝を探すと、その先に落ちていた針のようなものをつけて海に垂らした。


でも、ここら辺の魚は港の人たちが餌をつけたりして釣っているようで、僕の針だけの釣竿には全然かからなかった。日も落ちてしまったし今日は我慢しようと思った時、海の中に誰かが立っていた。なにやら長くて鋭いものを持っていた。

嵐が過ぎ去った後だったから波も高くて荒い。

こんな時間になにをしているのだろうと思い近付いた。

すると、「来るな!!!」という大きな声がした。

僕はびっくりしてその場に突っ立った。

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