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　昭和26年、テニスの国際大会・デビスカップで、初めてアジア選手として日本代表に選ばれた清水善造と熊谷一弥。

清水は当時28歳で、細身でスマートな風貌が特徴的だった。一方の熊谷は26歳にして既にデビスカップの経験を持ち、豊かな髭が印象的だった。

　清水と熊谷は、まだ世界的なテニス選手たちの名前を知らなかった。しかし、日本代表として初めてデビスカップに挑戦することが、彼らにとって最大の挑戦だった。当時、日本のテニス界はまだフェアウェイと呼ばれる人工芝コートが普及していなかったが、世界ではすでに広く使われるようになっていた。

　対戦相手は、当時世界最強の一角であったオーストラリアだった。清水と熊谷はパトリック・レーシングとレックス・ハートウィックの二人と対戦し、1勝2敗という結果でデビスカップ初出場を終えた。特に、清水は第3試合でのハートウィックとの試合で、第3セットまで激しい攻防を繰り広げる様子が注目された。

　清水と熊谷がデビスカップに挑戦したことは、日本のテニス界にとって大きな転機となった。以降、日本人選手の参加が常態化するようになり、数多くのメダルを獲得している。清水と熊谷は、その後も長年に渡りテニス界で活躍することになるが、彼らの初めてのデビスカップ出場が、日本のテニス界にとって新たなスタートを切るきっかけとなったことは間違いない。

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