異世界ヒーロー戦記

一日一話

第1話 異世界へ

 俺の名前は川ノ上 翔 35歳。

 只今病気で死の淵をさまよってる最中だ、

多分もうたすからないのだろう、死んだ爺ちゃんが手を振ってるのが見える。

 今振り返ればそんなにわるい人生ではなかったと思う。

 子供頃はスーパーなヒーローに憧れた。

 

 困ってる人を颯爽と助ける姿に心を奪われたものだ。

 だから俺は大人になってからはできる限りボランティアや献血、被災地の炊き出しなどをやってきた。 

 感謝の言葉や、子供の笑顔をみれば自分の中のなにかが満たされる気がした。

 

 それは結局、自己満や偽善と呼ばれる類いのものなのだろう。

 

  "やらない善よりやる偽善"


 そんな言われ尽くしたことを今さら語るつもりはない。

 

だけど例え自己満に満ちた偽善な行動でも、誰かが喜んでくれるならそれは素晴らしいことなんだと俺は思う。 

 

俺はね。


「神様…もし本当にいるのなら…次こそ俺を…本物のヒーローにしてくれますように……」



 薄れゆく意識のなか、最初で最後の神頼みをして、俺の意識は今世の人生に別れを告げた。


 

 ♦︎


 次に俺の意識が目を覚ましたのは、物心ついた5、6歳の時だった。


 恐らくこの世界での俺の両親が、不慮の事故で亡くなった、強烈なショックが引き金だろう。


 次に生まれ変わったら、ちゃんと親孝行する筈だったのな…。


 それからはトントンと話が進んで行った。


 そこそこ都会に住んでいた俺は、そのままその街の孤児院に預けられた。


 街に市民権を持っている子供は、義務として9歳から15歳まで学校で学ぶ事を強制される。


 その後は本人の意思により、高等学校や大学、専門学校などの進路に進んで行く。


 俺も生まれ変わってからは勉強を頑張り、大学までの課程を修了した。


 え?ヒーローにはなれたのかって?


 それは次のページに行けば分かるからね。


 まぁ、俺のつまらない話を聞いて行ってくださいよ。


 


 

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