つい乗った船だったが、正解だった◎

saito sekai

幸運な俺なのだ。


俺は一人観光に来ていた。俺の顔はいつも悩んでいるように見えると言われる。だから、やたらハシャギ回る観光客が疎ましく感じた。


川辺に佇む俺を、誰かが声をかけてくる。

「お~い、そこの君~この船に乗りなさいよ」

見ると数人の男女が既に乗っていて、内心(何故…俺?)と思ったが、呼ばれたから、便乗してみても良いと思った。


川は急流で、船は流れるように進む。私は船頭に「この先に何があるのですか?」と聞いてみた。船頭は答える。


「この船の人達は自殺したい人ばかりなんだ。私は何人もこの先の滝に落としたんだよ」そう聞いた俺は、嬉しくて頬を赤らめた。      完



諺 船に乗れば船頭任せ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

つい乗った船だったが、正解だった◎ saito sekai @saitosekai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ