甘めの恋にはほろ苦い珈琲を添えて。

@kuroneko11110

Vo1:始まりの一滴:萩原 陽


「ふぁ〜あ⋯」


眠くて仕方がない。とても疲れたのだ、


朝から夜まで仕事三味だ。今日は月1の休み。


「今、何時だろ…。」


時計を見る。午前6時30分。


予想より早く起きてしまった。暇だ。


「散歩でも行こうかな…。」


部屋着から出掛ける用の服に着替えて、外に出る。


俺の名前は萩原 陽。はっきり言って俺は社畜だ。


それほど働いている。いつもいつもクタクタだ。


はっきり言って辞めたい。なにもせずにお金がもらえたら…


そういえば、1ヶ月前に移転した珈琲屋あったよな…?」


そう。元々他県にあった、とても綺麗な珈琲屋。


もう1度行ってみたいと思ってはいたがまさか数10m先に


移転するとは思ってもみなかった。


すごくラッキーだと思う。


「…ここだ。」


相変わらず綺麗な珈琲屋だ。中に入る前から分った。


昔、一度だけ行ったことがあった。中学2年生だった。


他県に三泊三日、修学旅行に行った日の二日目、


自由時間だった。


「うわぁ....綺麗…」


俺は外見に見惚れて、すぐ店に入った。


中はもっと綺麗で、ますます見惚れた。


注文したのはカフェオレ。よく見ると、白いハートの


マニキュアが上に浮かんでいた。


「す、すげぇ…」


すごく小声で、絶賛の声を口にした。


そして一口飲む。口の中に甘い香りが漂う。


「うまい…。」


本当に美味しかった。そんな一度しか行ったことのない


珈琲屋。少し嬉しさを顔に出し、珈琲屋のドアを開ける。

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