第36話 『♡ Kyoko Love ♡』


36.


 「めて!?」


 「・・・」


 「そんなの俺たちの付き合いに関係ないよ」


 「訳わかんないこと、言わないで。

 関係あるでしょ。結婚しても家のこと、あなたのお世話だって

何もできなくなるかもしれないし、入院生活になるかもしれないし

あなたの足を引っ張ることはあっても、あなたのメリットには

ならないのよ」


 そんなふうに、またまた彼女はいつもとは違う話し方で

たどだとしく、スピードゆっくりめで俺を諭してきた。


 俺には分かってしまった。

 彼女は病気になったことを知った俺が彼女への態度を

変えるんじゃないかということに、怯えてるということ。


 「もう嫌だよ、今から新しい出会いを探すなんて、そんな

めんどくさいこと。俺は恭子ちゃんと結婚する」


 「めんどくさい? ・・何言ってるの? 一生の問題だよ? 」



 「俺のお世話は自分でできるからそんなの気にしなくていいし

入院したら、毎日は無理かもしれないけど、見舞いに通うし

俺のことは心配せず、自分の病気治す事だけ考えればいいよ。

 

 今はさ、医学も進歩してるから、きっとよくなる。


 そういうことなら、さっさと一緒に暮らそっ?

 俺さ、すごいことに気が付いたわ」

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