第35話 『♡ Kyoko Love ♡』35-2

35-2.


 いつもの最寄駅、駅近のカフェバーへ重い足取りで向かう。

 今日も私が先に着いた。


 カウンター席から見上げた空は、綺麗な夕焼け色にも黄金色にも

見えてきれいだった。


 「お待たせっ。あれっ、今日はお酒じゃないんだ? 」


 「うん、カフェオレにした」


 ちょうど私がアーモンドチョコを口に入れたところで到着した彼。


 「私たちってどっぷりアラフォーだよね? 」


 「何、急に年の話なんて・・」


 「真剣に交際申し込んでくれてうれしかった。

 クルージング楽しかったね。いい思い出にできそ」


 「何気にさよならを仄めかしてるように聞こえるんだけど」


 「私、〇〇病かもしれないんだ。垣本さん結婚相手を探すなら

私なんかとチャラチャラしてる暇はないよ? 」


 病気かもしれないと話す彼女の目の淵、目尻には少し涙が

 乗っかってる風に見える。話方もいつもとぜんぜん違う。

 言葉が流れに乗ってない。別人にさえ見えるくらい。


 見ていて痛々しくて、こっちまで? ドキドキしてきた。

 病名を聞いて、うっすらと少し難しい病気であることは

どこかで聞きかじってて、知ってるっていうか、分かる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆彡


 私の話を聞いて驚いてる垣本さんを見ているうちに、私は

精密検査はしていないけれど、だんだんその病気で間違いない

っていう風に話を運んでしまいたくなった。 


 今なら振られても、まだその病気だと判定は下っていないから

100%判定が下った後で振られるよりは断然マシっていう思いが

芽生えたからだ。

 

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