第10話 『♡ Kyoko Love ♡』


10.


 しかし、最初は6人からなる飲み会が今や半数の3人に。


趣旨は、いいお相手を見つけると言ったような態・・に

なってたよね。

 だってすぐに2組のカップルができて。


 で、今ってどうなの?

 森田さんも垣本さんも私しか参加してる女子がいなくて

どう考えてもいいお相手を見つける会になってないよね。


 彼らが結婚相手を探してるとしたら・・。

 無駄に過ごす時間になるかもしれないと思うと・・複雑だなぁ~。


 今いるメンバーがまた別の人たちをこの会に勧誘するとかで

人数増やさないとね~。


 まっ、とにかく後数回はなんとか継続できそうだし・・

あれこれ考えても私にはどうしようもないもんねー。


 会って飲んで話して、楽しく感じられなくなったら、その時は

解散でいいんじゃないかな。


 飲み会が発足された時は、うきうきで楽しい会になりそう

なんて思ってたのよね。


 まさかこんな短期間で今の有様になるなんて。


 仕事が押してるらしく、案の定遅れてる垣本さんを店で

待ちながら私はあれこれ考えていた。


 今回はふたりなのでカウンター席に座って待っている。

 背中側が窓になってるんだけど、珍しくない? 


 外から見えるから、ちょっとだけ意識して緊張してしまう、

通りを歩く人たちに。


 入って来る人が見えるから、入り口に視線を向けながら

私は先に頼んでおいたカクテルをチビチビ。


 20分程して到着した彼の姿が目に入る。 


 店内をぐるりと見回す彼に、少し手を挙げて左右に振り

自分の位置を教える。


 「お待たせして、ごめん」


 そう言いながらスーツ姿の彼は、素早くネクタイを外し

私の左隣の丸椅子に座り、ビールを注文した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る