第8話 『♡ Kyoko Love ♡』

8.☑加筆修正有2023.7.11


 スタジオで会った日には、亀卦川くんがなんとなく飲みに

誘いたそうなのが透けて見えるので、私は見えない想像上の

バリヤーを張り巡らせていた。


 ぼちぼち年貢の収め時とばかりに、結婚というものを現

実視するようになった今、良い出会いがあった時に、少し

でも後ろめたいことになるような付き合いは避けたかった

からだ。


 直近身近でまさに、上手くいかなかった森田と白鳥との悪い手本を

見たばかりなのもあり、気を引き締めるようにしている。



 今までさんざん一緒に遊んできた相手に、申し訳なく思う

気持ちがないわけではないけれど、心を鬼にしてそれは

それ、これはこれ、と思うことにした。


 仕事帰りの1杯も、お酒じゃなくてコーヒーとかケーキ

を楽しむ程度に抑えるようにしている。


 特に休日はインドア派にシフトチェンジしていき、

お料理や裁縫などに目を向けるようになった。


 お酒を飲む時間も好きだけど、一心に何かを作るっていう時間も

よいなぁと思うようになったのだ。


 私はこれまで結婚なんてあまり深く考えたことなかった。


 職場で、同業のモデルたちじゃなくて、裏方なんだけど

その人たちがポツポツ結婚して。


 自分とどっこいどっこいの微妙に年齢高めで、もう一生

独身じゃないの? って思ってたような女性たちで。


 それでもって彼女たちがとても幸せそうに見えるからか

結婚って案外いいものなのかも、なんて思えてきた。


 今回の飲み会では、いいお相手は見つからなかったけど

これからもアンテナ張り巡らせて、知人友人たちからお誘いが

あればどんどん社交の場に出て行くぞーって決めてる。

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